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資金の「使途」と「源泉」について

資金管理において、「使途」と「源泉」を明確に区別することは、資金の流れを正しく把握するための基本です。

「使途」とは資金がどの勘定科目に、いくら必要なのかを示すものであり、「源泉」とはその資金をどの勘定科目から調達するかを意味します。

この二つを整理することで、資金の全体像が見えてきます。

目次

固定資金と運転資金を勘定科目で表現

固定資金や運転資金は、すべて勘定科目を使って明確に表現できます。これにより、資金の性質を分類し管理することが可能になります。

この整理の基本となるのは、貸借対照表(バランス・シート)です。

貸借対照表の構造

貸借対照表は、企業の財務状態を示すもので、左側(資産)と右側(負債および資本)の二つの要素で構成されています。

  1. 資産勘定(左側)
  • 流動資産: 短期で現金化される資産(現金、売掛金、在庫など)。
  • 固定資産: 長期的に使用される資産(建物、機械設備など)。
  • 繰延資産: 長期間にわたって費用として計上される資産。
  1. 負債および資本勘定(右側)
  • 流動負債: 短期で返済が必要な負債(買掛金、短期借入金など)。
  • 固定負債: 長期的に返済される負債(長期借入金など)。
  • 引当金: 将来の特定支出に備えた積立金。
  • 資本金: 出資者から提供された元手。

バランス・シートの区分と資金の分類

貸借対照表を以下のように区分すると、資金の分類がより明確になります:

  • 上部(運転資金)
  • 使途: 流動資産(現金、売掛金、在庫)。
  • 源泉: 流動負債(買掛金、短期借入金)。
  • 下部(固定資金)
  • 使途: 固定資産、繰延資産。
  • 源泉: 固定負債、引当金、資本金。

資金の動きとその影響

資金の流れを「使途」と「源泉」で整理すると、資金の増減がどのように財務状況に影響するかが明確になります。

運転資金

  • 売掛金が増加すると現金回収が遅れ、資金が不足する。
  • 棚卸資産の増加は在庫維持のための資金を必要とする。
  • 一方、支払手形や買掛金の発生は支出を先延ばしできるため、資金を補う役割を果たす。

固定資金

  • 設備投資(固定資産の増加)は多額の資金を要する。
  • これを長期借入金や資本金で賄うことで、資金のバランスを保つ。

資金運用と貸借対照表の関係

貸借対照表は、資金運用の結果を静的に表しています。一方、資金運用とは貸借対照表の各勘定科目の増減を動的に示すものです。

この二つは、資金の動きとその結果を異なる角度から表しており、双方を一体的に理解することが重要です。

たとえば、設備投資により機械装置(固定資産)が増加し、その資金を長期借入金で賄った場合、バランス・シートの資産(左側)と負債(右側)が同額だけ増加します。

このような動きを正しく記録することで、資金運用の全体像を捉えることができます。

まとめ

資金の「使途」と「源泉」を整理し、貸借対照表を基に資金運用を分析することは、企業の財務管理を効率化し、健全な経営を実現するための鍵となります。

資金運用の本質は、勘定科目の増減を通じて企業の財務バランスを保つことにあります。これを理解し、活用することで、企業はより確実な資金計画と運用が可能となるでしょう。

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