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善き行いは、やがて願いを満たし、魂を解き放つ


目次

🔖 原文(日本語訳)

「福徳の果報が熟するのは楽しい。
希望することが成就する。
そうしてその人は速やかに最高のやすらぎ、
覆いの解きほぐされた(解脱の)状態におもむく。」
――『ダンマパダ』第1章「双句品」第11偈


📝 逐語訳

  • 福徳の果報が熟するのは楽しい:積み重ねた善行の結果が現れたとき、それは深い喜びをもたらす。
  • 希望することが成就する:心の清らかな願いが自然と実現へと向かう。
  • 速やかに最高のやすらぎにおもむく:その人の歩みは迅速に、完全な平安へと向かう。
  • 覆いの解きほぐされた状態:煩悩や無明(無知)の覆いが消え去り、自由で澄んだ心、すなわち解脱(涅槃)に至る。

🧩 用語解説

用語意味
福徳(プンニャ)善行・慈悲・誠実な行為によって蓄積される徳と福のエネルギー。
果報因果の法則によりもたらされる報い。特に、善行による良い結果。
やすらぎ(涅槃/ニルヴァーナ)すべての煩悩・執着・苦しみから解放された究極の心の静けさ。
覆い(アーヴァラナ)真理を見る目を覆い隠す、無明・煩悩・妄念などの障壁。
速やかに(迅速に)道を誤らず、着実に、まっすぐに真理に向かう進展の比喩。

🌐 全体の現代語訳(まとめ)

善き行いを積んだ者は、その行動がもたらす結果によって大きな喜びを得る。
その心に浮かんだ真摯な願いも自然とかなえられ、さらにその人は早く、迷いのない道を通って、究極のやすらぎ(煩悩なき自由)に到達する。
人生における努力と誠実さは、心の解放という最高の恩恵へとつながっていく。


💡 解釈と現代的意義

この章句は、「正しい行いは報われる」という因果の法則を肯定しつつ、最終的には心の自由=精神的な完成(解脱)に至るという理想を提示します。
現代社会では、報われない努力や、誠実さが軽視される場面も多くありますが、仏教は**「正しい生き方は必ず魂を解き放つ」**と強く説いています。

この言葉は、道に迷いそうな時や成果を焦る時、「その道は、いずれ清らかな報いとなって還ってくる」という静かな信頼を与えてくれるものです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用例
長期ビジョン誠実で正しい努力はすぐには報われなくとも、長期的に必ず組織と個人を成功と充実に導く。
プロジェクト遂行善意と目的意識に基づいた行動は、自然と必要な協力や機会を引き寄せ、道を開く。
個人の成長一貫した善行(勤勉・配慮・感謝)を積み重ねた人は、精神的な安定と深い満足を得るようになる。
キャリア形成目先の成功よりも、内面的成長と品格を磨くことが、最終的には満たされた人生につながる。

✅ 心得まとめ

「善き行いは、願いをかなえ、魂を解き放つ道である。」
努力しても報われないと思えるとき、結果が見えないとき、私たちに必要なのは「信念ある継続」。
誠実な一歩一歩が、やがて望みをかなえ、内なる平安へと導く――それが仏陀の示す、真理に基づいた幸福への道なのです。

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