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香り立つ言葉は、行動によって生まれる


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■引用原文(日本語訳)

第四章 花 第五十二偈

うるわしく、あでやかに咲く花で、しかも香りのあるものがあるように、
善く説かれたことばも、それを実行する人には、実りが有る。
― 『ダンマパダ』第4章 第52偈


■逐語訳(一文ずつ)

  1. うるわしく、あでやかに咲く花で、しかも香りのあるものがあるように、
     → 見た目も美しく、さらに芳香を放つ花があるように、
  2. 善く説かれたことばも、それを実行する人には、実りが有る。
     → 教えや理念にかなった言葉であっても、それを実行に移す人こそが、本当の価値(実り)を生む。

■用語解説

  • うるわしく、あでやかに咲く花:見た目の美しさや魅力。表面的な完成度の象徴。
  • 香りのある花:本質的価値、つまり徳や内面の美。周囲に良い影響を与える力。
  • 善く説かれたことば:道理にかなった真理の言葉、あるいは高潔な理念。
  • 実りが有る:精神的成長、社会的貢献、信頼など、具体的かつ継続的な成果。

■全体の現代語訳(まとめ)

見た目も美しく、香りも放つ花のように、高尚な教えも、それを実践する人においてこそ真に輝く。言葉と行動が一致しているとき、その人は周囲に良き影響を与え、実りをもたらすのである。


■解釈と現代的意義

この偈は、言葉と行動が調和したときにこそ、真価が発揮されるという実践の精神を説いています。

前偈(第51偈)では「行わなければ意味がない」と警告しましたが、本偈はさらに一歩進み、「行いが伴えば、言葉も香るように輝く」と、理想像を提示しています。

現代においても、理念・知識・ビジョンだけでなく、それを日常の中でどう体現するかが、信頼・成果・尊敬を決定づけます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
リーダーの人格言葉だけでなく、それを日々の行動・判断・姿勢で示すリーダーは、深い信頼を得る。
組織文化経営理念やクレドを、社員一人ひとりが実践している企業は、社会的信頼とブランド力を育てる。
顧客対応方針や約束をきちんと実行する企業は、「誠実な企業」として顧客に選ばれる。

■心得まとめ

「言葉は、行動により香り立つ」

仏陀は語ります――美しい言葉を、行いが裏づけるとき、はじめてそれは香りを放つ花のようになると。言葉を語るだけでなく、日々の態度にそれを生かすこと。その実践の中にこそ、真の「実り」があるのです。

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