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香りの中の香りは、徳の香りである


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📖 原文引用(日本語訳)

タガラ、栴檀、ヴァールシカー、青華、これら香りのあるものどものうちでも、徳行の香りこそ最上である。
――『ダンマパダ』第七章(第十七節)


📝 逐語訳

  • タガラ(芳香花)、栴檀(白檀)、ヴァールシカー(季節の香花)、青華(蓮のような青い花)――
  • これら香り高い自然の芳香の中にあっても、
  • もっとも優れた香りとは、人格と行いから放たれる「徳行の香り」である。

🧩 用語解説

  • タガラ:ジャスミンに似た白い芳香花。
  • 栴檀(せんだん):白檀。インドや東アジアで香木として珍重される。
  • ヴァールシカー(Vārṣikā):季節の香る草花を意味する名詞で、特定の植物ではない。
  • 青華(しょうか):青い花。蓮など高潔さを象徴する花とも解釈される。
  • 徳行の香り(sīlagandha):正しい行い・誠実な態度・清らかな人格から発する精神的影響力。物理的ではなく象徴的な“香り”。

🪞 全体現代語訳(まとめ)

世界には美しく芳しい花や香りがたくさんある。しかし、それらすべてを超えて、最も崇高な香りとは「人格から自然に放たれる徳の香り」である。
それは、目に見えず、香りとして感じることもないが、人々の心に届き、長く記憶に残るものである。


🌏 解釈と現代的意義

この句は、「外面的な美しさや魅力ではなく、人の内面に宿る徳が、最も深く人に感化を与える」という教えを、自然の比喩を用いて伝えています。

現代においては、印象・見た目・言葉の巧みさが評価されやすいですが、**持続的な信頼や敬意を集めるのは、徳をもって生きている人の“生き様の香り”**です。
それは説明されるものではなく、感じ取られるものなのです。


💼 ビジネスにおける解釈と応用

観点実践例
人間性の信頼性見栄えや肩書きではなく、日々の誠実な態度が「徳の香り」となって社内外に伝わる。
ブランドの人格化商品よりも「この会社は信頼できる」と思わせる企業文化が、企業の香りとなって広がる。
リーダーシップ指示や結果ではなく、リーダー自身の在り方(徳行)が人を惹きつける。
影響力の本質宣伝・話術ではなく、行動・誠実さの積み重ねが、真の影響力を育む。

🧠 心得まとめ

「香りは花に宿るが、真の香りは人の心に宿る」

どんなに美しい言葉や外見があっても、それが徳と結びついていなければ、香りは一瞬で消える。
人格・誠実・善行こそが、最も遠く・最も深く人に届く“香り”なのだ。
この句は、**「黙して語らずとも、人格は香る」**という、真の影響力のあり方を教えてくれます。

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