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■引用原文(日本語訳)
聖バガヴァットは告げた。
「無畏、心性の清浄、知識のヨーガに専念すること、布施、自制、祭祀、ヴェーダ学習、苦行、廉直。」
(『バガヴァッド・ギーター』第16章 第1節)
■逐語訳(一文ずつ)
- 神は言った:
- 恐れなきこと(無畏)、
- 心の清らかさ(心性の清浄)、
- 真理の探究に専念すること(知識のヨーガに専念)、
- 布施(分かち合い)、
- 自制(自己統御)、
- 儀式の遂行(祭祀)、
- ヴェーダの学び、
- 苦行(自己鍛錬)、
- 正直さ(廉直)。
■用語解説
- 無畏(アビヤム):恐れずに真理と向き合い、行動できる心。
- 心性の清浄(サットヴァ・シャウチャム):心の欲や怒りを清め、静かに澄んだ状態を保つこと。
- 知識のヨーガ(ジュニャーナ・ヨーガ):真理を知ろうとする姿勢と、実践的知識への集中。
- 布施(ダーナ):分かち合い、与えること。利他の精神。
- 自制(ダマ):衝動や欲望を制御する力。
- 祭祀(ヤッニャ):宇宙・社会・神聖なものとのつながりを保つ儀礼。
- ヴェーダ学習(スヴァーディヤーヤ):聖典や叡智への学習と実践。
- 苦行(タパス):困難にあえて向き合うことで、心を鍛えること。
- 廉直(アルジャヴァ):誠実さ、正直な態度。
■全体の現代語訳(まとめ)
バガヴァーン・クリシュナは、神聖な生まれ持った資質(ダイヴィ・サンパット)として、「恐れない心」「清らかさ」「知への専心」など、内面の高潔な性質を挙げている。これらの資質を育むことが、真に正しく幸福な道への第一歩である。
■解釈と現代的意義
この教えは、「どのように生きるべきか」の羅針盤を提示している。現代社会では、恐れ・不安・利己心に満ちた場面が多くあるが、それらに屈するのではなく、内なる徳性を養い続けることの重要性が語られている。
恐れを手放し、誠実に学び、他者と分かち合う生き方は、普遍的な価値を持つ。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | ビジネスへの応用 |
---|---|
リーダーシップ | 恐れを手放し、真理に基づいた判断を下すことが、信頼されるリーダーを育てる。 |
自己成長 | 日々の学び(ヴェーダ学習)と内省を怠らず、自分を磨き続けることが成長の礎となる。 |
倫理観 | 誠実さ(廉直)や布施(共有・貢献)の精神が、長期的な信頼と成功を築く。 |
ストレス耐性 | 苦行(困難を乗り越える姿勢)により、プレッシャーに負けない強い精神を養える。 |
■心得まとめ
「徳を積む者は、恐れず迷わず進める」
成功とは外の世界だけにあるのではなく、内なる資質の育成にある。
恐れに支配されるのではなく、真理に支えられた行動を――それが持続可能な成長と調和を生む道である。
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