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出口がわかっているなら、そこを通って出るのが道理だ

孔子はある日、人生の選択と「道(みち)」について、シンプルかつ鋭い比喩で弟子たちに語った。

誰だって部屋から出るときには、戸口(出入り口)から出るものだろう。
なのに、どうして人生という部屋を出ていくときに、私たちが説く“道”を通ろうとしない者が多いのか?

この言葉には、「わかっていながらやらない」ことへの叱咤と嘆きが込められている。

人は、頭では何が正しいかを知っていても、そこに至る努力を避けたり、近道や逃げ道に流されたりするものだ。
しかし、孔子が言う「道」は、人として正しく、まっすぐに生きるための普遍的な道筋であり、避けては通れない「戸口」のようなもの。

正しい道がわかったならば、ためらわずにそこを進むべきである。
それがたとえ険しくとも、「本来通るべき出入り口」なのだから。


ふりがな付き原文

子(し)曰(いわ)く、
誰(たれ)か能(よ)く出(い)づるに戸(こ)に由(よ)らざらん。
何(なん)ぞ斯(こ)の道(みち)に由(よ)る莫(な)きや。


注釈

  • 戸に由らざらん:部屋から出るならば、誰でも出入り口を通るはずだという比喩。
  • 斯の道(このみち):孔子が説いた「仁・礼・義」に基づく正しい生き方、つまり人としての正道。
  • 由る莫きや:それを通ろうとしないのはなぜか? という問いかけと嘆き。
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