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精進の炎は、心の煩いを焼き尽くす


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■引用原文(日本語訳)

いそしむことを楽しみ、放逸におそれをいだく修行僧は、微細なものでも粗大なものでもすべて心のわずらいを、焼きつくしながら歩む。燃える火のように。
(『ダンマパダ』第2章「はげみ」第31偈)


■逐語訳

  • 精進(努力すること)を楽しみ、
  • 放逸(怠惰)を恐れる修行者は、
  • 心に起こる、どんなに小さな悩み(煩悩)も、
  • 大きな執着や欲望も含め、
  • すべてを焼き尽くしながら進んでいく。
  • それはまるで、燃え盛る火が、目の前の障害を焼いて進むようなものだ。

■用語解説

  • いそしむことを楽しむ(ウッサーハラタ):努力を「苦」ではなく「喜び」として受け止める姿勢。
  • 放逸におそれをいだく(パマーダバヤディー):怠けることの恐ろしさを自覚している状態。放逸=心の死。
  • 心のわずらい(チッタサ・ウパクレーカ):欲・怒り・迷い・嫉妬など、心を乱すすべての要素。
  • 微細なもの/粗大なもの(アヌ/マハント):ほんの小さな執着から、大きな煩悩や妄念まで。
  • 焼き尽くしながら歩む(アダンティ・パダーニ):煩悩を滅しながら進む様子。仏道の進行そのもの。
  • 燃える火(アグニ):努力・智慧・正念の象徴。すべてを清める浄火。

■全体の現代語訳(まとめ)

精進することを喜び、怠けることを恐れる修行者は、心に芽生えるどんなに些細な迷いでさえも見逃さず、それを努力と気づきの火によって焼き尽くしながら前進していく。
その姿は、すべての障害を燃やし尽くしながら進む炎のように、力強く清らかである。


■解釈と現代的意義

この偈は、**「自らの心を燃やし、成長の障害を焼き尽くす生き方」**を教えています。
重要なのは、精進を「苦役」ではなく「楽しみ」として捉え、怠惰を避ける強い意志を持つことです。

現代に生きる私たちも、日常の中で小さな不満・怠け心・不安・妬みといった“微細な煩悩”を見逃しがちです。しかし、それを放置すれば心の火は弱まり、成長は止まります。
日々、自分の意識に火を灯し続けることこそ、自己完成への道だと説いているのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
意識管理楽をしたい気持ちや小さな油断も、放置せず燃やし尽くす意識が、成長と成功を支える。
精神態度苦労を喜びに変えられる人は、変化と困難に強くなり、組織の中で際立つ存在となる。
リスク管理「怠け」に対して鈍感になると、失敗や信用の低下につながる。放逸を恐れる姿勢がプロ意識を育てる。
人間関係小さな感情のわだかまりをその都度処理することで、信頼関係が長く安定する。

■心得まとめ

「心に火を灯し、煩悩を焼き尽くせ」

努力を喜びとし、怠けることを恐れよ。
ほんの小さな心の汚れも、その場で焼き尽くす――そうして進む人の道は、清らかで力強く、やがて安らぎと自由へと通じている。
火のように歩め。燃やしながら進め。


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