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身体を通して敬意と節度を示すことが、最初の修行である

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■引用原文(日本語訳)

「神々、バラモン、師匠、知者の崇拝、清浄、廉直、梵行(禁欲)、不殺生。以上は身体的な苦行(功徳)と言われる。」
――『バガヴァッド・ギーター』第17章 第14節

■逐語訳

神々(デーヴァ)、聖者バラモン、師(アーチャーリヤ)、智者(プラグニャー)の崇拝、
身体の清らかさ(シュッチ)、正直さ(アルジャヴァ)、禁欲(ブラフマチャリヤ)、非暴力(アヒンサー)――
これらは「身体によるタパス(苦行、または功徳)」とされる。

■用語解説

  • 崇拝(プージャ):敬意・感謝をもって仕えること。形式よりも態度の問題。
  • 清浄(シュッチ):身体の清潔さ・衣服や所作の端正さだけでなく、誠実な生活習慣も含む。
  • 廉直(アルジャヴァ):偽りのない正直なふるまい。誠実さと素直さ。
  • 梵行(ブラフマチャリヤ):禁欲的生活。性欲・食欲・感覚欲を節制する精神的修養。
  • 不殺生(アヒンサー):肉体的な暴力の放棄だけでなく、害を与えない心の姿勢。
  • 身体的苦行(シャーリリカ・タパス):行為と姿勢を通じて行う自己鍛錬。派手な苦行ではなく、日常の行動様式の修養。

■全体の現代語訳(まとめ)

神や師や智者を敬い、身体を清潔に保ち、正直な態度を貫き、欲望を節制し、他者に危害を加えない――
こうした行為こそが「身体による本当の修行」であり、神聖な生き方として評価されるべきものである。

■解釈と現代的意義

この節は、苦行や修行とは、派手な禁欲や苦しみではなく、日常の節度と敬意あるふるまいであると説いています。
「身体的な修養」とは、他者への敬意を行動で示すこと、清潔に生きること、誠実であること――つまり、**誰にでも今から実践できる“静かな徳行”**です。
現代でも、立ち居振る舞いや服装、言動、身だしなみを整えることが「信頼」や「品格」を生むのは、この精神に通じています。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
リーダーの基本姿勢敬意ある言動、清潔感、誠実な態度を日常的に保つことが、信頼されるリーダーの土台となる。
社内マナー・品格の育成礼儀、身だしなみ、敬語の習得は、単なる“ビジネスマナー”ではなく、精神的修養(身体的タパス)でもある。
節度と尊敬の文化職場での禁欲的行動――無駄な欲求(噂話、過度な自己主張など)を抑え、節度を持つ姿勢が組織の調和と信頼性を高める。
非暴力的リーダーシップ「言葉の暴力」や「無視・圧迫」などを避ける非暴力的マネジメントは、現代的アヒンサーの実践である。

■心得まとめ

「礼儀・節度・敬意――それが最も基本の修行である」

特別な環境や試練を待たずとも、日々の身体のふるまいの中にこそ、修行と徳は宿る。
ビジネスにおいても、他者への敬意・節度ある行動・誠実さ・害を及ぼさない態度こそが、人間性と信頼の根幹を築く基本のタパス(修養)である。

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