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家族を思う心が他者を思いやる「仁」の原点である。

親を思い、兄弟を大切にする心を持つ者は、自然と目上の人にも敬意を払う。そうした人は無用に反抗することもなく、社会の秩序を乱すこともない。

根がしっかりと張った木がまっすぐ育つように、人としての根本が整っていれば、どんな分野においても大きく成長していける。

家族を思う心――それこそが、他者を思いやる「仁」の原点である。

親への孝、兄弟との和。そこからすべてが始まる。

身近な人を大切にすることが、真の人間性を育む第一歩となる。

目次

原文

有子曰、其爲人也孝弟、而好犯上者鮮矣、不好犯上而好作亂者、未之有也、君子務本、本立而 生、孝弟也者、其爲仁之本與、

「其(そ)の人となりや孝弟(こうてい)にして、上(かみ)を犯(おか)すを好(この)む者は鮮(すく)なし。上を犯すを好まずして、乱(みだ)れを作(な)すを好む者は未(いま)だ之(これ)有(あ)らざるなり。君子(くんし)は本(もと)を務(つと)む。本立(た)ちて道(みち)生(しょう)ず。孝弟なる者は、其(それ)仁(じん)の本(もと)たるか」

原文と逐語訳:

  1. 「其の人となりや孝弟にして、上を犯すを好む者は鮮し。」
     → その人の性格が親に孝行で、兄や年長者に従順であるような者で、目上の人に逆らうことを好む者はほとんどいない。
  2. 「上を犯すを好まずして、乱れを作すを好む者は未だ之有らざるなり。」
     → 目上の人に逆らうことを好まない者で、世の中を乱すことを好む者は、いまだかつて存在しない。
  3. 「君子は本を務む。本立ちて道生ず。」
     → 立派な人(君子)は、物事の根本を重視して努力する。根本が確立すれば、人の歩むべき道(道徳・秩序)も自然と生まれる。
  4. 「孝弟なる者は、それ仁の本たるか。」
     → 親に孝行し、兄や年長者を敬うことは、まさに「仁(思いやり・人間愛)」の根本ではないだろうか。

注:

  • 孝弟(こうてい):親に対する孝行と、兄や年長者への敬意・従順のこと。儒教における人間関係の基本。
  • 上を犯す:目上の者(特に君主や父兄)に逆らうこと。
  • 乱を作す:社会の秩序を乱す、反乱や無秩序を起こすこと。
  • 本(もと):物事の根本や基礎。ここでは「孝弟」がその本にあたる。
  • 道(みち):人の正しい行いや道徳の意。
  • 仁(じん):儒教における最高の徳。思いやりや人間愛のこと。
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