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顔に心を宿せ ― 孝は、しぐさと表情に現れる

孝行とは、ただ行動で尽くすだけでは成り立たない。
たとえば、重い荷物を若者が持ち、食事や酒を年長者にすすめるのは、表面的な振る舞いとしては当然のこと。
しかし、それを「孝」と呼ぶには十分ではない。大切なのは、そうした行動にこもった「気持ち」であり、それが表情や雰囲気ににじみ出ているかどうかである。
親を思いやる心が、自然と顔にあらわれてはじめて、孝の徳は真実のものとなる。

「色(いろ)難(かた)し。事(こと)あれば弟子(ていし)その労(ろう)に服(ふく)し、酒食(しゅしょく)あれば先生(せんせい)に饌(せん)す。曾(か)つてこれを以(もっ)て孝(こう)と為(な)さんや」

行動の背後にある心こそが孝の根であり、それは表情というかたちで、他者に伝わっていく。


※注:

  • 「色難」…顔つきや表情に心をこめるのが難しい、という意味。
  • 「弟子」…年少者・目下の者。
  • 「先生」…年上の者、親や師など。
  • 「饌す(せんす)」…ごちそうをすすめる、食事をもてなす。
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