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簿記における受取手数料の取り扱い

受取手数料とは、企業が業務上のサービスや取引の仲介などを行い、その対価として得た収益を指します。

これは通常、「営業収益」または「営業外収益」として会計処理され、会社の収益の一部となります。具体的には、代理業務、仲介手数料、販売手数料などが該当します。

目次

受取手数料の会計処理

受取手数料が発生した場合、その金額を収益として記録します。取引内容や支払い方法によって仕訳の仕方が若干異なります。

1. 手数料を現金で受け取った場合

例:取引の仲介手数料50,000円を現金で受け取った場合

借方:現金    50,000円  
貸方:受取手数料 50,000円
借方貸方
現金50,000受取手数料50,000

2. 手数料を銀行振込で受け取った場合

例:販売手数料100,000円を銀行振込で受け取った場合

借方:普通預金  100,000円  
貸方:受取手数料 100,000円
借方貸方
普通預金100,000受取手数料100,000

3. 手数料が未収の状態の場合(未収手数料)

取引時点で収益を計上するが、まだ受け取っていない場合、「未収収益」として資産に計上します。

例:サービス提供後、50,000円の手数料を請求したが未収の場合

借方:未収収益  50,000円  
貸方:受取手数料 50,000円
借方貸方
未収収益50,000受取手数料50,000

後日、手数料が入金された場合の仕訳:

借方:普通預金  50,000円  
貸方:未収収益  50,000円
借方貸方
普通預金50,000未収収益50,000

消費税の取り扱い

受取手数料は、通常「消費税課税対象」となります。手数料収入に対して消費税を請求する場合、仕訳は以下のようになります。

例:50,000円の手数料に10%の消費税を上乗せして受け取る場合

受取時の仕訳:

借方:普通預金  55,000円  
貸方:受取手数料 50,000円  
貸方:仮受消費税  5,000円
借方貸方
普通預金55,000受取手数料50,000
仮受消費税5,000

後日、消費税を納付する際には以下の仕訳を行います:

借方:仮受消費税  5,000円  
貸方:現金    5,000円
借方貸方
仮受消費税5,000現金5,000

受取手数料の税務上の注意点

収益計上のタイミング

  • 手数料収入は、サービスの提供が完了した時点で収益として計上します。請求書の発行日や入金日ではなく、実際のサービス提供時を基準にします(発生主義)。

課税対象の確認

  • 一部の手数料収入(例:国際取引関連の仲介手数料)は、非課税となる場合があります。取引内容に応じて消費税の課税対象かどうかを確認する必要があります。

源泉徴収の可能性

  • 一部の手数料収入(特に個人事業主の場合)は、支払者が源泉徴収を行うケースがあります。この場合、源泉徴収額を差し引いた金額が受け取る手数料となります。

受取手数料に関連する仕訳例

例1:販売代理業務で手数料100,000円を受け取り、10%の源泉徴収が行われた場合

受け取った金額:90,000円(手数料100,000円-源泉徴収10,000円)

借方:普通預金    90,000円  
借方:仮払法人税等  10,000円  
貸方:受取手数料  100,000円

源泉徴収された10,000円は、後日確定申告時に精算されます。

借方貸方
普通預金90,000受取手数料100,000
仮払法人税等10,000

受取手数料の管理ポイント

帳簿の正確な記録

  • 手数料収入の発生状況を正確に記録し、収益計上の漏れを防ぎます。

未収手数料の管理

  • 未収の手数料がある場合、入金状況を定期的に確認し、長期間未回収のままとならないようにします。

消費税や源泉徴収の処理

  • 消費税の課税対象となる手数料収入や源泉徴収の処理を適切に行い、税務リスクを回避します。

まとめ

受取手数料は企業の収益の一部として重要な位置を占めます。取引内容や支払い条件に応じた仕訳を正確に行い、消費税や税務申告に備えましょう。また、未収手数料の管理や税務上の処理を徹底することで、会計業務の信頼性を高めることができます。

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