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欲を離れれば、恐れは消える


目次

📜 引用原文(日本語訳)

第二章 二
欲情から憂いが生じ、欲情から恐れが生じる。
欲情を離れたならば、憂いは存しない。
どうして恐れることがあろうか。


📖 逐語訳(意訳含む)

  • 「欲情があるところに、憂いが生まれる。」
  • 「欲情があるところに、恐れもまた生じる。」
  • 「もし欲情を離れたならば、憂いは存在しない。」
  • 「ならば、いったい何を恐れるというのだろうか?」

🧩 用語解説

  • 欲情(よくじょう):対象への強い執着や所有欲。感情的な「欲望」や「貪り」のこと。
  • 憂い(うれい):失うこと・かなわないことへの不安や悲しみ。
  • 恐れ:将来に対する不確かさから生じる心の不安や怯え。
  • 離れる:物理的に距離を置くことではなく、心が執着しない状態。
  • どうして〜か(反語):「〜のはずがない」「〜する理由がない」という強い否定を含む問いかけ。

🪞 全体の現代語訳(まとめ)

欲望があるからこそ、不安や心配が生じる。手に入らなかったらどうしよう、失ったらどうしようと怯えるのは、もとをたどれば「欲する心」があるから。だがその欲を手放してしまえば、憂いや恐れは自然に消えていく。「何も求めなければ、何も失うことはない」のだ。


🧠 解釈と現代的意義

この節は、心の苦しみの原因が「外部の出来事」ではなく「内部の欲望」にあることを明示しています。現代でも、多くの不安やストレスは「○○が欲しい」「○○でなければならない」といった強い期待や執着が裏にあります。もしその欲望を和らげることができれば、感情の波に巻き込まれず、平穏に過ごすことができる――そのような深い心の原理が語られています。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用例
競争や成果への執着他人と比較して「負けたくない」「もっと評価されたい」という執着がストレスや不安の原因となる。
目標達成のプレッシャー高すぎる期待や完璧主義が、「失敗したらどうしよう」という恐れを生む。
人間関係の悩み「認められたい」「嫌われたくない」という欲が、人間関係の中に過剰な不安を生む。
経営判断・意思決定欲を捨て、冷静で客観的な判断をすることで、恐れに左右されない選択が可能になる。

🧭 心得まとめ(座右の銘風)

「欲に執すれば、心は波立つ。欲を捨てれば、心は澄む。」
求める心があるかぎり、人は不安を手放せない。
真の安心とは、「何を得たか」ではなく、「何に執着しないか」によって決まる。


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