目次
◆第4章 第5節による心得
●原文引用
「聖バガヴァットは告げた。
私は多くの生を経て来た。あなたもそうだ。アルジュナよ。私はそれらをすべて知っている。だがあなたは知らない。」(第4章 第5節)
●逐語訳(一文ずつ訳す)
- 「聖バガヴァットは告げた」
→ 主クリシュナは、神として語った。 - 「私は多くの生を経て来た」
→ 私は無数の過去の誕生を経験してきた。 - 「あなたもそうだ。アルジュナよ」
→ あなたもまた、幾度となく生まれ変わってきた。 - 「私はそれらをすべて知っている」
→ 私は自らのすべての生を記憶している。 - 「だがあなたは知らない」
→ しかし、あなたは自分の過去の生を覚えてはいない。
●用語解説
- バガヴァット(Bhagavān):全知全能の神。ここではクリシュナを指す。
- 多くの生(janmāni):輪廻転生を指し、魂が複数の生を繰り返すという思想。
- 知っている/知らない:神であるクリシュナは全ての時を知る存在だが、人間は記憶を持たない。
●全体の現代語訳(まとめ)
主クリシュナはこう語った。「アルジュナよ、私もあなたも、何度も生まれ変わってきた。私はそのすべてを覚えているが、あなたはそれを知らない。」
●解釈と現代的意義
この節では、神と人間の本質的な違いが示されています。
人は何度も生まれ変わる存在でありながら、前世を忘れ、現在の自我に閉じ込められて生きています。
一方、神は時空を超越し、すべてを記憶する存在です。
ここでクリシュナは、アルジュナに「自分が知らないからといって、それが存在しないわけではない」という真理を伝えようとしています。
●ビジネスにおける解釈と適用
視点 | 解釈・応用 |
---|---|
見えない蓄積 | 自覚していなくても、経験や努力は確実に積み重なっている。 |
継続の価値 | 一度では結果が出なくても、繰り返しの中で人は進化している。 |
リーダーの知見 | 神のような知見を持つ存在(先人や師)から学ぶには、謙虚に耳を傾ける姿勢が必要。 |
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