目次
📖 原文(第33章 第83偈)
熱心につとめ瞑想しているバラモンにとって、
これらの徳が現われるとき、
かれは悪魔の軍勢を追い払っている。
ブッダはすべての束縛の絆から解脱しているからである。
📘 逐語訳と用語解説
句 | 解釈 |
---|---|
熱心につとめ瞑想しているバラモンにとって | 継続的な修行と瞑想を積んでいる人にとって |
これらの徳が現れるとき | 慈悲・平静・智慧・無執着・真理への洞察などの精神的完成 |
かれは悪魔の軍勢を追い払っている | 内面的な悪(煩悩・欲望・怒り・無明)や外からの誘惑に打ち克ち、精神的勝利を収めている |
ブッダはすべての束縛の絆から解脱しているからである | 仏陀は一切の執着から解き放たれた完全な存在であり、その存在自体が悪を遠ざける力を持つ |
🗣 全体の現代語訳(まとめ)
修行に精進し、内面の徳を備えた人は、
悪しき誘惑や煩悩を打ち払う力を持つ。
それはまさに仏陀のように、
一切の執着や煩悩から解放された者が
その在り方によって悪の力を無力にするようなものである。
🧠 解釈と現代的意義
この偈は「内面の清らかさと力」がどれほど偉大なものであるかを示しています。
- 悪魔の軍勢=煩悩・迷妄・外的誘惑・否定的感情。
これらは知識や地位では退けられないが、内なる徳と真理の力によって克服できる。 - 真のバラモン=自らを律し、真理に従って生きる者であり、その実践は見えない悪をも打ち払う。
- 最後に強調されるのは仏陀の境地。彼は悪に打ち勝った究極の勝利者であり、その後を歩む者(修行者)もまた、同じく悪を祓う者とされる。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
領域 | 応用の視点 |
---|---|
経営倫理 | 誘惑(利益至上主義・虚偽・不正)に打ち克つためには、組織全体の「徳」が必要である |
リーダーシップ | 外的な障害に動じず、内的な規律と信念を持ち続けるリーダーは、組織の「悪」を浄化する力を持つ |
メンタルマネジメント | 瞑想や内省を日々行うことで、焦りや不安など“悪魔の軍勢”に惑わされず冷静でいられる |
ブランド・信頼性 | 外見やマーケティングよりも、**実際の中身(徳・信念・誠実さ)**が“悪”からブランドを守る盾となる |
🔚 章末のまとめ句の意義
以上第三三章 バラモンまとめの句…これらの三十三であると伝えられている。
ここでは、『ダンマパダ』全体が、八〇章を超える教えからなるにもかかわらず、核心を成す**三十三章(章立て)が列挙され、その集大成が「バラモン章」**に収束していることが明記されています。これはつまり、
- 自己の完成(真のバラモン)こそ、教えの最終的到達点
- 煩悩からの解脱が、智慧・実践・信仰・忍耐・瞑想など全ての要素によって支えられていること
- 「まとめの句」は、各章の主題を回顧的に一覧するものであり、読誦や修行の手引きとしての機能も担う
💡 感興のことば:心得まとめ
「悪を祓う光は、内なる徳から生まれる。ブッダの道を歩む者は、静かに世界を照らす。」
この章で『ダンマパダ』の全構成が完了します。
ご希望があれば、「全章総まとめ」や「教義の縦断的整理」も可能です。
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