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善は急げ、悪は退け――一瞬の怠惰が心を蝕む


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■原文(日本語訳)

善をなすのを急げ。悪から心を退けよ。善をなすのにのろのろしたら、心は悪事をたのしむ。
(『ダンマパダ』第九章「悪」第116偈)


■逐語訳(一文ずつ訳)

  1. 善をなすのを急げ
     → 善行は、思い立ったらすぐに実行すべきである。
  2. 悪から心を退けよ
     → 悪行や悪意に心が傾かないよう、自ら制御せよ。
  3. 善をなすのにのろのろしたら、心は悪事をたのしむ
     → 善行を先延ばしにしていると、心は自然に悪へと流れていく傾向がある。

■用語解説

用語意味
他者や自分にとって良い影響をもたらす行為。思いやり、誠実、努力、正直など。
他者や自分を傷つける意図・行為。怠惰、嘘、怒り、貪りなど。
急げ躊躇せず速やかに行動すること。善を後回しにせず、意志と実行を結びつけよ。
たのしむ快楽・誘惑・怠惰に心が引き寄せられること。

■全体の現代語訳(まとめ)

善いことを思い立ったときには、ためらわずすぐに行動に移すべきである。悪い心や行いに引き寄せられそうになったら、それと気づいて離れること。人間の心は弱く、善を先延ばしにしていると、次第に怠惰や快楽に傾き、悪を楽しむようになる。だからこそ、善行には「機を逃さず」「ためらわず」向かうことが重要だと説いている。


■解釈と現代的意義

この偈は、善と悪のどちらに心が引き寄せられやすいかという「人間心理の傾向」を鋭く指摘しています。善行には努力が要るが、悪行は容易で快楽的です。私たちの心はその「楽な方」に流れやすい。だからこそ、善は「急げ」。思い立った時が最良のタイミングです。
この教えは、自己管理、時間の使い方、倫理的判断すべてに応用できます。


■ビジネスにおける解釈と適用

ビジネステーマ応用解説
決断と行動善いアイデアや正しい行動が思い浮かんだなら、議論や保留にせず実行を急ぐ。遅れるとやる気や正しさが失われる。
倫理観不正やズル、怠惰への誘惑は常にある。だからこそ意識的に「心を退ける」訓練が必要。
チーム文化の醸成善意の声が上がったときにすぐ動ける組織は、信頼と善循環を築ける。善を遅らせないチームづくりが重要。
自己管理と習慣「あとでやろう」という思考は悪の入口。健康・学習・報連相など、善き習慣は即実行がカギ。

■心得まとめ

「善は急げ、悪は退け――心の傾きは選べる」

人間の心は、放っておけば怠惰に傾き、快楽に染まり、悪に慣れていく。だからこそ、善を見つけたらすぐに実行し、悪の芽には早く気づいて離れること。
日々の選択が人格をつくり、人格が信頼と成功をつくる。
その第一歩は、「思い立った善をすぐ行う」ことから始まるのです。

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