目次
◆第4章 第35節による心得
●原文引用
それを知れば、あなたは再び迷妄に陥ることはなかろう。アルジュナよ。それによりあなたは万物を残らず、自己のうちに、また私のうちに見るであろう。(第4章 第35節)
●逐語訳(一文ずつ訳す)
- 「それを知れば、あなたは再び迷妄に陥ることはなかろう」
→ その真理を深く理解すれば、あなたはもう混乱や誤解に迷うことはないだろう。 - 「それによりあなたは万物を残らず、自己のうちに、また私のうちに見るであろう」
→ その知識によって、あらゆる存在を自分自身の内に、そして神(クリシュナ)の内に見出すようになるだろう。
●用語解説
- 迷妄(モーハ):無知によって生じる錯覚・混乱。
- 自己のうちに見る:世界のすべてが自分とつながっていることの悟り。
- 私のうちに見る:すべてが神(最高存在)に統一されているという一体感の認識。
●全体の現代語訳(まとめ)
真理を知れば、あなたはもはや惑うことはない。その知によって、すべての存在があなた自身の内にも、私の内にもあることを悟るようになるだろう。
●解釈と現代的意義
この節は、「悟りによる統一的な視野の獲得」を説いています。真理の理解は単なる情報の蓄積ではなく、世界との一体感と調和をもたらす内的転換です。真の知識によって、自己と他者、個と宇宙、有限と無限の区別が取り払われます。
これは分離ではなく、すべてのつながりを感じる「統合の智慧」であり、現代の分断や不安を乗り越える深い視座を与えます。
●ビジネスにおける解釈と適用
視点 | 解釈・応用 |
---|---|
組織と個人の統合 | 経営においても、個々の目標と全体の目的を統一的に見る視点が重要。 |
顧客や他者への共感 | 自己の内に他者を見、他者の内に自分を見られるとき、本当の信頼と価値が築かれる。 |
混乱の克服 | 正しい知識と理解は、複雑さの中に秩序と方向性を見いだす力になる。 |
●ビジネス用の心得タイトル
「すべてはつながっている」
――真理を知ることで、迷いは消え、世界が自己の延長となる
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