MENU

万物に自己を見、自己に万物を見る


目次

■引用原文(日本語訳)

ヨーガに専心し、一切を平等に見る人は、
自己を万物に存すると認め、また万物を自己のうちに見る。
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第29節


■逐語訳(一文ずつ)

  • ヨーガに専心する者は、
  • すべての存在を平等に見つめ、
  • 自己がすべての中に宿っていると知り、
  • また、すべてが自己の中にあると知る。

■用語解説

  • ヨーガに専心し(ユクタ・アートマー):統一された心で、常にヨーガ(精神集中と合一)を実践している状態。
  • 一切を平等に見る(サルヴァトラ・サマダルシャナハ):「自他」や「上下」「善悪」といった分別を超えて、すべてを等しく見る境地。
  • 自己を万物に存すると認め(アートマナム・サルヴァブーテシュ):自己(本質的存在)が万物に宿ることを理解する。
  • 万物を自己のうちに見る(サルヴァーニ・ブータニ・チャートマニ):すべての存在が、自分という意識の中にあると体験する。

■全体の現代語訳(まとめ)

ヨーガに深く専念する人は、
すべての存在を平等に見つめ、
自己の本質が万物の中にあると知り、
また、万物が自己の中にあると知るのである。


■解釈と現代的意義

この節は、**「一体性の認識」**というヨーガの核心に触れています。
真のヨーギンは、世界との分離感を超え、「自分」と「他者」、「主体」と「客体」の区別をなくしていきます。
これは、慈しみ、共感、そして偏見なき行動の根本です。
他者を自分のように感じられる人こそが、真に調和と平和をもたらす存在です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
リーダーシップ部下や顧客、関係者を「対立する存在」ではなく「自分の一部」として捉えることで、対話と成長が促進される。
ダイバーシティ人種・立場・価値観の違いを超えて「同じ人間」「同じ存在」として尊重することが、本当の多様性推進となる。
組織の一体感「あなたの問題は私の問題」と捉える姿勢が、部門間の壁を取り払い、全体最適を実現する鍵になる。
利他と共感他者の視点に立てる人が、社会的信用や共感を得て持続的なビジネスを築ける。

■心得まとめ

「相手は分かれた存在ではない。己のうちにある、もう一人の自分である」

全体を「敵」「他人」「外のもの」として分けるのではなく、
自分の内なる延長として見つめよう。
そうすれば、真の信頼とつながりが生まれ、
事業も人間関係も、一段と深く、強くなる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次