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悪からは、空を飛んでも逃れられぬ


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📖 引用原文(日本語訳)

「もしも汝が悪い行ないをなすならば、あるいはいつかなすであろうならば、汝は苦しみから離脱することはない。
たとい汝が(空中に)浮び上って逃げ去ろうとしても。」

※類似の仏教経典:『ダンマパダ』第127偈:

「悪業をなした者は、空を飛ぼうとも、海に潜ろうとも、山に隠れようとも、悪果から逃れることはできない。」


🔍 逐語訳(意訳)

「たとえあなたがこの世のどこへ逃げようとも、
空高く舞い上がろうとも、
もしあなたが悪をなしたならば、または悪をなすつもりがあるならば、
その報いからは逃れることはできない。」


🧘 用語解説

  • 悪い行ない(アクーサラ・カルマ)
    他者を害し、自己の心を濁らせる非道徳的な行為。結果として苦しみを招く原因。
  • 苦しみから離脱することはない(ナ・ドゥッカ・ムッチャティ)
    業(カルマ)の法則により、悪い行為には必ず相応の苦しみが伴うという教え。
  • 浮び上って逃げ去る(アッカースァン・パリパルライヤ)
    空に飛び去る、極端な逃避や隠遁の比喩表現。物理的・社会的・心理的な逃げ道すべてを含意。

🪷 全体の現代語訳(まとめ)

たとえあなたがこの世界のどこへ隠れようとも、
どれだけ高く、どれだけ遠くに逃げても、
一度なした「悪」の行いから、その報いを完全に逃れることはできない。
なぜなら、因果の法(カルマ)は、決して欺かれないからである。


🏛 解釈と現代的意義

この句は、**「逃げても悪果からは逃れられない」**という因果応報の真理を説いています。
現代社会でも、「隠蔽」「ごまかし」「責任逃れ」といった行為は一時的に成功するように見えても、
結局は信頼喪失・自己崩壊・社会的制裁として必ず戻ってきます。
最も確かな安全策とは、「逃げること」ではなく、「悪をなさぬこと」であると教えているのです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点実践的応用
ガバナンスと透明性不正を犯せば、どんな立場でもいずれ露見する。不正リスクには「逃げ道」はない。
責任逃れの心理隠すことで「逃げ切れる」と思うのは錯覚。むしろ自らの内面に罪悪感と不安を抱えることになる。
組織の信頼構築誤りを正直に認め、正す行為こそが、持続的な信頼とブランド価値を支える。
リーダーシップ逃避ではなく、正面からの謝罪・修正・改善こそ、真のリーダーの在り方である。

🧭 心得まとめ

「悪から逃れる唯一の道は、初めから悪を選ばぬこと」

どんなに高く、遠く、巧みに逃れようとも、
心と行動に刻まれた悪の痕跡は、己の魂を離れない。
苦しみを避けたいなら、逃げるのではなく、正しく在れ。
それが、安心と未来への最も確かな備えである。

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