目次
1. 評価替えの原則
子会社株式や関連会社株式は、長期保有を目的としているため、決算時に時価評価を行いません。これらの株式は、主に以下の目的で保有されます:
- 子会社株式:支配目的(過半数以上の株式を保有して意思決定をコントロール)。
- 関連会社株式:重要な影響力を行使する目的(過半数未満の株式を保有)。
理由
- 売買目的有価証券のように頻繁に売買されるものではないため、時価の変動に対して即時対応する必要がない。
- 帳簿価額(取得原価)を継続して使用することが適切とされる。
2. 評価替えの処理
例題
取引内容
決算において、子会社株式の時価が4,200円である。帳簿価額は4,100円。
回答
この場合、子会社株式は帳簿価額(4,100円)を維持し、評価替えを行いません。
解説:
- 時価評価は不要です。
- 帳簿価額のまま、長期資産として貸借対照表に記載します。
3. 実務上の注意点
- 帳簿価額の管理
子会社株式や関連会社株式は、取得時の価額(帳簿価額)を長期間維持するため、取得原価の管理が重要です。 - 減損の可能性
子会社株式や関連会社株式の価値が著しく下落し、その回復が見込めない場合は、減損処理を行う必要があります。この場合、減損損失を計上します。 - 時価情報の参考
時価は、減損の必要性や株式の現状を確認するための参考情報として利用されますが、帳簿価額の修正には用いません。
減損処理の例
取引内容
- 決算時、子会社株式の時価が2,500円に大幅下落し、帳簿価額4,100円との差額が大きい。この状態が継続すると見込まれる場合。
仕訳
借方:減損損失 1,600円
貸方:子会社株式 1,600円
子会社株式および関連会社株式の評価は、通常の時価評価を行わないことが特徴です。ただし、特定の状況下では減損処理を検討する必要があるため、時価情報の定期的な確認が重要です。
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