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■引用原文(日本語訳)
「そしてまた、あのハリ(クリシュナ)の非常に稀有な姿を想起するごとに、私は大いに驚嘆し、繰り返し歓喜する。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第77節)
■逐語訳
- そしてまた(チャ・アピ)、
- ハリ(クリシュナ)の非常に驚異的な姿(ヴィシュマヤム・ルーパム・ハリム)、
- 思い出すたびに(スムリトヤ・スムリトヤ)、
- 私は大きな驚嘆に打たれ(マハート・アドブタム)、
- 繰り返し歓喜する(ムーダー・ムーダム・チャ・ラブハミ)。
■用語解説
- ハリ:クリシュナの別名。「罪を取り去る者」の意。
- 非常に稀有な姿(アドブタ・ルーパム):第11章でアルジュナに示された、宇宙的・神格的なヴィシュヴァ・ルーパ(全宇宙の姿)。
- 驚嘆(ヴィスマヤ/アドブタ):畏敬の念をともなう驚き。
- 歓喜(ムーダ):深い感動とよろこび。
■全体の現代語訳(まとめ)
「さらに、あのハリ(クリシュナ)の驚くべき神の姿を思い出すたび、私は圧倒的な感動とよろこびに包まれる。」
■解釈と現代的意義
この節は、サンジャヤが**神のビジョン(ヴィシュヴァルーパ)**を思い出しながら、
心の底から震えるような畏敬と歓喜を繰り返していることを語っています。
これはただの美しい姿ではなく、
「宇宙の真理」そのものを垣間見たときの魂の震えです。
つまり:
- 本物のビジョンは、一度の体験で終わらない
- 想起するたびに新しい意味と感動をもたらす
- それが、魂を支える「記憶の宝」になる
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 実務での適用例 |
---|---|
ビジョンの力 | 組織のビジョンや自分の志を「何度でも思い出せるもの」にしておくと、常に原動力となる。 |
感動体験の蓄積 | 深く心に残る顧客との対話や成功体験は、リーダーシップや語りの源泉になる。 |
モチベーションの原点 | 「なぜこの仕事をしているのか」を視覚的・感情的に体験できたとき、人は何度でも立ち上がれる。 |
記憶の力の活用 | 過去の感動を再想起できるように、日記や記録をとっておくと、迷いの時に大きな助けとなる。 |
■心得まとめ
「一度の真の体験は、人生を繰り返し照らす灯火となる」
クリシュナの神聖な姿は、サンジャヤにとって
「記憶の中で何度も蘇り、そのたびに魂を震わせる光」でした。
私たちもまた、
自分の中にある“原体験”を見つめ、記憶し、思い出し、力とする。
――あなたの中の「ハリの姿」は何か?
――それを、今も心に灯しているだろうか?
次の最終節(第78節)では、この対話がどのように世界全体を導くものだったかが語られます。
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