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備品とは?

備品(びひん) とは、企業や組織が業務の遂行に必要なために購入・所有する物品のうち、固定資産に該当する耐久性のある資産を指します。
これには机や椅子、パソコン、事務機器など、長期間使用できる物品が含まれます。


備品の特徴

  1. 耐久性がある
     備品は消耗品とは異なり、長期間使用できる物品を指します。
  2. 固定資産として計上
     一般的に、備品は会計上の固定資産として分類されます。ただし、購入金額が一定額以下の場合は、消耗品費として経費処理される場合もあります。
  3. 業務に必要
     業務の遂行や運営に必要な設備・物品が対象となります。
  4. 減価償却の対象
     固定資産に該当する備品は、購入後に減価償却を通じて費用化します。

備品の具体例

  • 机、椅子、書棚などの事務家具
  • パソコン、プリンター、コピー機などの事務機器
  • 工場や店舗で使用される器具、装置
  • 事務所や店舗で使用する看板、陳列棚

備品と消耗品の違い

項目備品消耗品
耐久性長期間(1年以上)使用可能短期間(1年未満)で消耗または使用される
購入金額一般的に一定の金額以上(企業ごとに基準設定あり)比較的少額(企業が設定する基準未満の金額)
会計処理固定資産として計上し、減価償却費で費用化消耗品費として購入時に全額を経費処理
机、椅子、パソコン文房具、印刷用紙、ボールペン

備品の仕訳例

1. 備品の購入

例:10万円の机を現金で購入した場合。

仕訳:

借方:備品   100,000  
貸方:現金   100,000

2. 備品の減価償却

例:10万円の机(耐用年数5年、残存価額ゼロ)の1年分の減価償却費を計上。

計算式:

減価償却費 = 取得原価 ÷ 耐用年数
減価償却費 = 100,000 ÷ 5 = 20,000円

仕訳:

借方:減価償却費 20,000  
貸方:減価償却累計額 20,000

3. 備品の廃棄

例:簿価5,000円の椅子を廃棄した場合。

仕訳:

借方:備品廃棄損 5,000  
貸方:備品    5,000

備品の会計処理

1. 固定資産としての計上

備品の購入金額が一定金額以上の場合、固定資産として計上し、減価償却を行います。

2. 消耗品費としての処理

購入金額が少額の場合、消耗品費として全額を経費計上することが認められます。例えば、税法上は取得価額が10万円未満の場合、消耗品費として処理可能です。

3. 減価償却

固定資産に計上した備品は、耐用年数に基づき毎年減価償却費として費用化します。減価償却方法は主に以下の2種類があります:

  • 定額法:毎年同じ金額を償却する方法。
  • 定率法:取得価格の残高に対して一定の割合で償却する方法。

備品の管理方法

  1. 備品台帳の作成
     備品ごとに取得日、取得価格、耐用年数、減価償却状況などを記録した台帳を作成します。
  2. 定期的な棚卸
     実際に備品が存在するかを確認し、台帳と照合することで管理の正確性を保ちます。
  3. 減価償却の計画
     備品の耐用年数に基づき、減価償却費を計画的に計上します。
  4. 処分時の適切な記録
     廃棄や売却時には、簿価や処分損益を正確に計上します。

備品に関する税務の取り扱い

  1. 少額資産の特例
     取得価格が10万円未満の備品は、消耗品費として一括で経費処理が可能です。
  2. 一括償却資産の適用
     取得価格が10万円以上20万円未満の備品については、3年間で均等償却する「一括償却資産」として処理できます。
  3. 固定資産税の課税対象
     備品が事業用の固定資産に該当する場合、毎年固定資産税が課されます。

備品の効率的な管理のポイント

  1. 購入前の計画立案
     必要な備品をリストアップし、優先順位をつけて購入を計画します。
  2. 耐用年数の見直し
     業務内容や使用頻度に応じて、備品の耐用年数を適切に見積もります。
  3. コストパフォーマンスの追求
     価格だけでなく、品質や耐久性を考慮して備品を選定します。
  4. 更新タイミングの最適化
     老朽化や陳腐化が進んだ備品は、適切なタイミングで更新することで業務効率を維持します。

まとめ

備品は、企業が業務を円滑に行うために欠かせない固定資産です。適切に管理し、正確な会計処理を行うことで、企業の資産状況や経営効率の向上につながります。

簿記や経理の学習者や実務担当者は、備品の仕訳や減価償却の計算方法、消耗品との違いをしっかりと理解し、実務に活かせるスキルを磨きましょう。

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