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悟りは道半ばで立ち止まる者には訪れない


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第3偈)

或る修行者・バラモンたちは、
迷いの生存に執着し、煩悩を滅するに至らず、
その途中で堕落してしまう。
――『ダンマパダ』第33章 第3偈


🔍 逐語訳(意訳)

ある修行者やバラモンたちは、
この生の迷い(輪廻)の中に心をとらわれたままで、
煩悩の穢れを完全に滅することができず、
その途中で修行の道から堕ちてしまう。


🧘‍♂️ 用語解説

  • バラモン:ここでは世俗的身分ではなく、「精神的完成者」を意味する。
  • 迷いの生存(サンサーラ):欲望と無知に支配された輪廻の世界。仏教における「流転」の状態。
  • 執著(アーサヴァ):対象に対する執着。心を縛る煩悩の根源。
  • 煩悩の汚れ(クレーシャ):貪・瞋・癡など、心の穢れ。真の自由を妨げるもの。
  • 没落(パリハーヤンティ):正しい道を見失い、俗に堕ちること。信仰・修行・志を見失った状態。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

ある修行者たちは、修行を志したにもかかわらず、欲望や執着を完全に捨て去ることができずに、悟りの道を途中で離れ、煩悩のまま没落していってしまう――。
仏陀は、志の中断や油断がどれほど危うい結果を生むかを、この偈で厳しく警告している。


🧭 解釈と現代的意義

この偈句は、「志があっても途中で諦めることの危険性」を教えています。
たとえどれほど高尚な目標を掲げても、それに至るまでの粘りと一貫性がなければ、途中で欲望や快楽に流されてしまう可能性があります。

現代においても、目標を掲げながらもすぐに現実や欲望に流される姿が多く見られます。この偈句は、「外形ではなく、どれだけ内的覚悟があるか」が大切だという教訓を与えてくれます。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
目標への継続的努力理想やビジョンを語るだけでなく、日々の行動でそれに近づく姿勢を保つことが重要。
誘惑に打ち勝つ意思一時的な楽や目先の利益に流されず、本来の目的を見失わない判断力が求められる。
真摯な自己認識できている“つもり”にならず、自分の内面を常に点検し、慢心を防ぐ。
プロジェクトやキャリアの節目での覚悟キャリア転機や困難時に、志や理念を捨ててしまえば信頼も自己の成長も失う。

💡 感興のことば:心得まとめ

「志半ばにして、心が緩めば、元の迷いに堕ちていく。」

始めた志が高くとも、続けなければ意味がない。
途中での執着や甘えが、悟りだけでなく信頼や成功からも人を遠ざける。
粘り強く歩み続ける人こそが、最終的に高みに至ることができるのだ。

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