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取らず、持たず、心を空にする者こそ真の自由人


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第25偈)

この世において、
長くとも短くとも、
微細であろうとも粗大であろうとも、
清らかであっても不浄であっても、
何ものをも「取らない(執着しない)」人――

私はその人を〈バラモン〉と呼ぶ。
――『ダンマパダ』第33章 第25偈


🔍 逐語訳(意訳)

長さにおいても、短さにおいても、
繊細さや粗雑さにおいても、
美しさや汚さにおいても――
一切を「良し悪し」「欲する・欲しない」と分別せず、
何ひとつとして「自分のもの」として取らない者――
そのような人こそが、真の〈バラモン〉である。


🧘‍♂️ 用語解説

  • 取らない(アナーダーナ):仏教で「執着しない」「掴まない」こと。取る=貪る=束縛。
  • 長・短/微細・粗大/浄・不浄:物質的対象に対する価値判断(例:美醜・大小・善悪)を象徴するペア。これらはすべて「主観的分別」。
  • 何ものをも取らない:評価や好悪・所有・比較のすべてを手放していること。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

この世にあるすべての対象――
大きいもの、小さいもの、
繊細なもの、粗野なもの、
美しいもの、醜いもの――
これらのいずれに対しても、**「欲しい」「嫌だ」「これは私のもの」**という執着を起こさない。
まったくの無執着の境地にいる人――
そのような人こそ、仏陀が称える真の〈バラモン〉である。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、「すべてを受け入れ、何ものにもとらわれない心の在り方」を示しています。
私たちは日々、物事に「好き・嫌い」「美しい・汚い」「価値がある・ない」と判断を下します。
しかしそれは、心に取捨選択という煩悩の動きを生み、結果として「自由」を失わせます。

仏陀は、「どんなものにも心を奪われず、手放す心こそが真に自由である」と説きます。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
評価に左右されない意思決定「流行だから」「有名だから」といった外的評価ではなく、本質と必要性に基づく選択をする。
所有・結果への執着からの脱却「成果」や「所有物」にとらわれず、プロセスと行動そのものに価値を見出す態度。
多様性の受容美醜・大小・洗練度といった基準で差別せず、多様な人やアイデアを公平に受け止める心。
過剰な「こだわり」からの自由細部への過度な執着が思考や判断を曇らせる。目的からブレない柔軟な姿勢が重要。

💡 感興のことば:心得まとめ

「手放せば、心は自由になる。何も取らぬ者が、すべてを得る。」

大きくても、小さくても、
美しくても、そうでなくても――
それに心を取られなければ、
わたしたちは常に自由である。

仏陀は、そうした無執着の人を〈バラモン〉と呼び、
あらゆる束縛から解き放たれた理想の人として讃えました。

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