例18 – ダウンストリームの場合
- 背景情報:
- P社 → S社へ販売(ダウンストリーム)。
- 利益加算率: 20%。
- 期首商品棚卸高: 360円。
- 期末商品棚卸高: 480円。
- 期首商品に含まれる未実現利益の処理
- 期首商品棚卸高 360円 × 20% = 72円。
- 前期末の連結修正仕訳を再度行う(開始仕訳)。
売上原価(損益項目)は利益剰余金(当期首残高)で処理。
(借方) 利益剰余金当期首残高 72円
(貸方) 商品 72円
- 前期末の未実現利益が当期販売で現実化したため、逆仕訳を行う。
(借方) 商品 72円
(貸方) 売上原価 72円
- 期末商品に含まれる未実現利益の処理
- 期末商品棚卸高 480円 × 20% = 96円。
- 当期末の商品に含まれる未実現利益を消去。
(借方) 売上原価 96円
(貸方) 商品 96円
例19 – アップストリームの場合
- 背景情報:
- S社 → P社へ販売(アップストリーム)。
- 利益加算率: 20%。
- 期首商品棚卸高: 360円。
- 期末商品棚卸高: 480円。
- 非支配株主持分割合: 40%。
- 期首商品に含まれる未実現利益の処理
- 期首商品棚卸高 360円 × 20% = 72円。
- 前期末の連結修正仕訳を再度行う(開始仕訳)。
非支配株主持分に対応する部分も計上(72円 × 40% = 28.8円)。
(借方) 利益剰余金当期首残高 43.2円
(借方) 非支配株主持分当期首残高 28.8円
(貸方) 商品 72円
- 前期末の未実現利益が当期販売で現実化したため、逆仕訳を行う。
(借方) 商品 72円
(貸方) 売上原価 72円
- 期末商品に含まれる未実現利益の処理
- 期末商品棚卸高 480円 × 20% = 96円。
- 非支配株主持分に対応する部分を計上(96円 × 40% = 38.4円)。
(借方) 壴上原価 57.6円
(借方) 非支配株主に帰属する当期純損益 38.4円
(貸方) 商品 96円
まとめ
- ダウンストリームの場合: 利益剰余金(期首)および売上原価で処理。
- アップストリームの場合: 非支配株主持分を加味して処理。
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