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導かれる者には、真理の扉が開かれる


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■引用原文(第11章 第9節)

サンジャヤは語った。
「王よ、偉大なるヨーガの主ハリ(ヴィシュヌ)はこのように語ると、
アルジュナに、至高の主の宇宙的な姿を見せたのです。」
—『バガヴァッド・ギーター』第11章 第9節


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • サンジャヤは言った:
  • 「王よ(ドリタラーシュトラよ)、
  • ヨーガの偉大なる主であるハリ(ヴィシュヌ、すなわちクリシュナ)は、
  • そのように語ったのちに、
  • アルジュナにご自身の至高なる姿――宇宙的な形相(ヴィシュヴァルーパ)――をお見せになりました。」

■用語解説

用語解説
サンジャヤ盲目の王ドリタラーシュトラに戦場の様子を語る語り手。神的な“遠隔視”の能力を持つ。
王よ(ラージャン)クル族の王、ドリタラーシュトラを指す呼びかけ。
ヨーガの主(マハー・ヨーガエーシュヴァラ)宇宙の法則と調和の達人である神(クリシュナ)の称号。
ハリ(ヴィシュヌ)万物を維持する神。クリシュナの神格化された側面のひとつ。
主の姿(ヴィシュヴァルーパ)宇宙そのものを体現する神の相。すべての存在を含む超越的な神の形態。

■全体の現代語訳(まとめ)

語り手サンジャヤは、王ドリタラーシュトラに対して、神クリシュナがアルジュナに対して「天眼」を授けた後、
その宇宙的本体――すなわち全存在を包含する至高の姿――を示したことを報告する。
これは単なる視覚体験ではなく、真理の直接体験であり、アルジュナにとって精神的転換点となる。


■解釈と現代的意義

この節は、「導き手が準備を整えた者に真理を開示する」という構造を象徴しています。
見る者が準備を整え、導き手が真に相応しいタイミングで啓示を与えるとき、
それまでとは次元の異なる「気づき」や「覚醒」が起こる。
本当の学びや進化は、“知識”の授与を超えて、“体験”の提供によってもたらされるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
メンタリング真の指導者は、タイミングを見極め、相手が受け取る準備が整ったときに本質的な気づきを授ける。
組織運営組織内での変革も、メンバーの“理解”だけでなく“体感”によって成し遂げられる。
成長戦略単に情報を伝えるだけでなく、実地の経験や実感を通して“変化の意味”を理解させることが重要。
真の変革リーダー必要なのは「教える人」ではなく、「見せる人」「体験させる人」。

■心得まとめ

「真理は、語るだけではなく、示されるべきものである」

教えるだけでは、心は動かない。
しかし、導かれた瞬間に「見せられた」経験は、心の奥底に永遠の変化を刻む。
真のリーダーや教育者とは、相手の準備を見極め、真理のヴィジョンを“体験”として与えられる者である。
ビジネスにおいても、人を動かすのは説明ではなく、感動的な体験と覚醒の瞬間なのです。


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