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心・ことば・行いを守る者は、苦しみに飲まれない


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📜 引用原文(『ダンマパダ』第52偈)

心をまもり、ことばをまもり、身体の動作につねに気をつけている人は、悩みに出会っても苦しまないであろう。
真理に安住し、真理を知り、いとも聡明なる人は。


🪶 逐語訳(意訳)

  • 心を整え、ことばを慎み、
  • 身体の行いにも常に気を配る人は、
  • どれほどの悩みに出会ったとしても、それに巻き込まれることなく、苦しまない。
  • なぜならその人は、真理に安住し、それを深く知る、真に聡明なる者だからである。

📘 用語解説

用語解説
心をまもる(citta gopeti)欲・怒り・妄想などに心を支配されないようにすること。
ことばをまもる(vācā gopeti)嘘・悪口・無駄話・粗野な言葉を避けること。正語。
身体の動作に気をつける(kāya gopeti)他者を傷つけず、慎みある身体的行動をとる。五戒の実践。
真理(Dhamma)仏が説いた真理、または「法」。この世の道理や縁起の理解。
安住(patitthita)揺るぎなく落ち着いている状態。ブレない心のあり方。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

心・言葉・身体の行いを調えている者は、どんな困難にも巻き込まれず、苦しみに沈むことはない。
なぜなら、その人は仏法に根ざし、真理にしっかりと立ち、深く智慧ある者だからである。


🔍 解釈と現代的意義

この偈が伝えるのは、人生の荒波に飲み込まれないための「三つの修練」=身・口・意の調律です。
外の環境や他人を変えるのではなく、自分自身の行動・言葉・思考を律することこそが、真の自由と安定をもたらす

真理を知り、そこに立脚する人は、苦しみを「苦」として体験しながらも、それに飲まれない姿勢を持てるのです。
まさに「苦しみを知り、超える智慧」を体現した修行者の姿です。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
セルフマネジメント感情的な言動を避け、内省と冷静さを習慣とすることで、トラブルや人間関係に動揺しない強さを養う。
クレーム対応や交渉の場面相手の態度に流されず、自分の「心・言葉・行動」を整えることで、信頼を勝ち取る対応ができる。
リーダーの資質立場が高くなるほど、周囲はその言動をよく見ている。言葉・振る舞い・内心の整えが人望に直結する。
倫理観と安定性真理(道理・原理)に立脚することが、困難な局面でも判断にブレを生まない。特に倫理的ジレンマにおいて重要。

💡 心得まとめ(結びのことば)

「心・ことば・行いを調えれば、苦しみに飲まれることはない」
「真理に立脚する人は、揺るぎない」

外に揺れない者は、まず内を整える者である――
ダンマパダ第52偈は、現代のリーダーやビジネスパーソンにも通じる、ブレない在り方の指針となる教えです。
苦境のときこそ、心・ことば・行いを見直す機会とされてはいかがでしょうか。

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