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結果にとらわれず、今すべきことを果たせ


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■原文(日本語訳)

第2章 第47節
クリシュナは言った。
「あなたの職務は行為そのものにある。決してその結果にはない。
行為の結果を動機としてはいけない。また無為に執着してはならぬ。」


■逐語訳

  • カルマニ エーヴァー アーディカーラステ(行為にのみ汝の権利はある):あなたには“行為すること”だけが責任範囲である。
  • マー・パレシュ・カダーチャナ(その結果には決して責任はない):結果はあなたのものではない、執着してはならない。
  • マー・カルマ・パラ・ヘートゥル・ブーフ(結果を行為の動機とするな):報酬や成果を目的として行動するな。
  • マー・テー・サンゴー ストゥ アカルマニ(無為に傾いてもいけない):失敗を恐れて行動を放棄してもいけない。

■用語解説

  • カルマ(行為):義務、役割、行動そのもの。
  • パラ(結果):成果、報酬、報い、成功・失敗。
  • アーディカーラ(責任・権利):ここでは「責務・担当範囲」の意味。
  • ヘートゥ(動機):行動を起こすための理由。
  • アカルマ(無為):行動しないこと、怠惰、傍観。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナはここで、**「人は結果にとらわれることなく、義務として行動せよ」**と教えます。

自分の責任は“行為すること”にあり、結果に執着することではない。
また、結果への恐れや期待から行動をやめること(無為)も、正しい態度ではないのです。

これは カルマ・ヨーガ(行為のヨーガ) の中核的な教えです。


■解釈と現代的意義

この節は、現代においても非常に実践的で、深い示唆を含んでいます。

私たちは日々、「成果」「評価」「結果」に振り回されがちです。
それが動機となると、目の前の行動が不純になったり、失敗を恐れて行動を避けたりする。

しかしギーターは、こうした姿勢を退け、
**「純粋に、やるべきことに集中する」**という実践を求めます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
プロフェッショナリズム成果ではなく、行動とその質に責任を持つ姿勢が信頼を生む。
モチベーションの源ボーナスや称賛より、「自分の役割を果たすこと」に喜びを見出すことが持続的な原動力となる。
失敗への恐れからの自由結果への不安や執着がなくなれば、挑戦への心理的障壁がなくなる。
無為との決別行動しないという選択(サボタージュ・逃避)は、責任を果たさないことに他ならない。

■心得まとめ

「行為に集中し、結果に縛られるな」
成功を目指すな、とは言わない。
だが、成功に心を奪われるな、とギーターは諭す。

結果がどうあれ、
今、自分が果たすべき行為に、誠実であれ。

それこそが、
動じぬ強さであり、真の自由である。


この第47節は、バガヴァッド・ギーター全体の「カルマ・ヨーガ」の教えの核心です。
次の第48節では、この行為の態度を「平等心」と結びつけてさらに深めていきます。

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