1. 基本ルール
配当財源として繰越利益剰余金とその他資本剰余金の両方を用いる場合、配当金の財源に応じて以下の割合で資本準備金と利益準備金を積み立てます。
- 繰越利益剰余金からの配当:
- 利益準備金を積立(10分の1の金額)。
- 資本金や準備金が法律で定める最低額に達していない場合に適用。
- その他資本剰余金からの配当:
- 資本準備金を積立(10分の1の金額)。
2. 具体例
配当決定の内容
- 繰越利益剰余金を財源とした配当金: 5,000円
- その他資本剰余金を財源とした配当金: 2,000円
- 資本金、資本準備金、利益準備金の残高:
- 資本金: 60,000円
- 資本準備金: 4,000円
- 利益準備金: 3,000円
積立計算
- 利益準備金の積立額:
- 繰越利益剰余金を財源とした配当金の10分の1。
5,000円 × 10% = 500円
- 資本準備金の積立額:
- その他資本剰余金を財源とした配当金の10分の1。
2,000円 × 10% = 200円
3. 仕訳
仕訳内容
- 配当金の支払:
- 株主配当金: 7,000円(5,000円+2,000円)。
- 準備金の積立:
- 資本準備金: 200円。
- 利益準備金: 500円。
仕訳例
借方: 繰越利益剰余金 5,500円
借方: その他資本剰余金 2,200円
貸方: 未払配当金 7,000円
貸方: 資本準備金 200円
貸方: 利益準備金 500円
4. ポイント
- 財源の割合:
配当金の財源に応じて、利益準備金と資本準備金を積み立てる。 - 計算精度:
財源の10分の1を正確に計算し、それぞれ適切な準備金に積み立てる。 - 未払配当金の処理:
株主への配当金支払が実際に行われるまで、未払配当金として計上。
まとめ
このように、配当財源が複数ある場合は、それぞれの財源ごとに積立基準を適用し、利益準備金と資本準備金を分けて計算します。これにより、財務諸表に適切な剰余金と準備金が反映されます。
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