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不満と拒絶は、知識を曇らせ、自己を滅ぼす


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📜 引用原文(日本語訳)

「しかし、不満を抱き、私の教説に従わない人々、
彼らをすべての知識に迷う、破滅した愚者であると知れ。」
(『バガヴァッド・ギーター』第3章 第32節)


🔍 逐語訳

「しかしながら、不満(abhyasūyantaḥ)をいだき、
私のこの教え(matam)に従わない者たち――
彼らはすべての知識に迷い(sarva-jñāna-vimūḍhān)
破滅(naṣṭān)した無知者(acetasah)であると知れ。」


🧩 用語解説

  • 不満(abhyasūyantaḥ):嫌悪や批判の気持ち。正しい教えを受け入れず、敵意をもつ態度。
  • 教説(matam):ここでは主にカルマ・ヨーガ(行為のヨーガ)とその実践に関するクリシュナの教え。
  • すべての知識に迷う(sarva-jñāna-vimūḍhān):知識を持っていても、心の否定性によってその真価を見失った状態。
  • 破滅した愚者(naṣṭān acetasah):「自らを滅ぼすような精神状態にある愚者」という意味。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

信仰心を持たずに、正しい教え(カルマ・ヨーガ)に対して不満や批判を抱く者は、
たとえ知識を持っていたとしても、その知識を真に活かすことはできない。
彼らは道を見失い、自らを破滅へと導くことになる。
正しい教えを拒絶することは、精神的・道徳的崩壊を意味する――それがこの節の警告です。


💡 解釈と現代的意義

この節は、精神的成長における“受け入れる姿勢”の重要性を強調しています。
正しい理論や方法論が目の前にあっても、
それに対して不満や反抗の心を持てば、
どれだけ知識があっても、それは自己破壊へとつながる――という厳しいメッセージです。

現代においても、「成果が出ない」「納得できない」といった理由で
方針や理念を否定し続ける人は、自らの成長機会を失い、
孤立と停滞に陥るリスクが高まります。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
理念やビジョンの受容組織の方針に対して常に否定的な人は、自ら機会を閉ざし、成長からも外れていく。
フィードバックの活かし方教えやアドバイスに耳を傾けず批判する人は、表面的な知識に終始し、真の成長に至らない。
態度と評価高度な知識があっても、態度が否定的で協調性がなければ、信頼されず長期的に評価されない。
リーダーの役割メンバーに対しても、単なる知識だけでなく「開かれた姿勢」の重要性を伝えることが、長期的な組織力を育てる。

🧠 心得まとめ

「知識よりも、まず受け入れる心を持て」

知っていても、
信じなければ活かせない。
不満を抱けば、正しいものも歪んで見える。
信仰と受容は、知識を智慧に変える力であり、
それがなければ、知識はむしろ人を惑わし、滅ぼす刃となる。


この節は前節(第31節)の正の教え「信じて従う者は解放される」に対して、
「従わない者が自滅する」ことを対照的に語っています。

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