収益性を高めるための正しい視点
加算法は、上述の二つの理由から、至る所で混乱を引き起こしている。それにもかかわらず使われ続けているのは、加算法が完全に過去計算に基づいているからだ。過去計算は、正確であろうと誤りであろうと、企業経営には何の役にも立たない。にもかかわらず、無意味な計算に労力を費やしているのだから、ある意味で天下泰平と言える。
結局のところ、学者や観念論者の話を真に受けず、実戦に基づく判断を優先するのが最も賢明な選択である。
「一単位当たりの原価」という考え方が誤りであることは、これまでの説明で明らかになったはずだ。会社全体で変わらない固定費を単位ごとに割り振るため、数量に応じて単位当たりの割り掛け金額が変動してしまうからだ。このような不安定な指標を用いることは、誤解を招く元になる。
したがって、「単位当たり原価」という考え方は、きれいさっぱり捨て去るべきである。正しい経営判断には、固定費と変動費を明確に区別し、実態に即した分析が不可欠だ。
「原価が把握できなければどうにもならないのでは?」という心配は無用だ。把握できないのは「単位当たりの原価」であって、「会社全体の原価」はしっかりと把握可能である。そして、この全体の原価は、設備の増減や人員の増減などの大きな変動がない限り、売上高や商品構成が変わっても基本的に一定である。(もちろん、一定の範囲内でのばらつきはあるが、それは許容範囲だ。)
原価が変わらない以上、利益を増やすためには収益を増やせばよい。これは、個人の家計で「生活費が一定なら収入を増やせば貯金が増える」と考えるのと全く同じ理屈だ。重要なのは、原価ではなく収益に焦点を合わせることだ。このアプローチこそが正しい考え方であり、それ以外に効果的な方法は存在しない。
収益と費用の関係は以下のようになる:
- 収益 < 費用 :赤字
- 収益 = 費用 :損益トントン
- 収益 > 費用 :利益
この関係が、企業の経営状態を端的に示している。
だから、「費用を上回る収益を得る」という視点で考えればよい。費用は把握できており、基本的に一定なのだから、焦点を収益増大に絞るべきである。ここから、収益を上げる具体的な方法を考える段階に入る。
幸いなことに、収益は商品一個当たりで明確に把握できるうえ、これは数量に完全に比例する。このシンプルな性質を活用して、収益を最大化する方法を追求すればよい。
必要な収益を達成するためには、以下のような事前計算が可能になる。
- 何をいくつ売ればよいかが分かる
- 複数の商品をどう組み合わせて、いくつ売ればよいかが分かる
- これだけしか売れない場合、どれだけ収益が不足するか(つまり損益の予測)が分かる
- 売上高が一定の場合、収益と損益がどうなるかが自由に計算できる
このような考え方を基盤にすると、社長の視点が完全に前向きになり、経営の方向性がより明確かつ正しいものとなる。これこそが、経営者が持つべき姿勢と行動である。
過去の数字にしか焦点を当てない原価計算は、社長にとって全く無用である。ここからは、実戦的な収益性の判定法に移る。
付加価値に基づく商品分析と戦略的な意思決定
(一)単位当たりの収益性の比較
以下の式で収益性を比較すればよい:
売価 – 変動費 = 付加価値(製造業では加工高、流通業では粗利益)
この式を使えば、単位ごとの収益性を簡単かつ明確に評価できる。極めてシンプルで実用的だ。
商品別の収益比較は可能であり、その一例が第20表の収益比較である。この比較によれば、B商品の方が収益性において有利であることが一目で分かる。計算がシンプルで、間違える余地が全くないため、実戦的な判断に直結する有効な方法と言える。
単位当たりの収益比較はこれで十分だが、期間当たりの売上高や収益を検討する際には単位当たりの指標では不便な場合がある。そのような場合には、付加価値率を用いるのが適している。この率で評価する方法は、一般的で広く用いられている。
ただし、注意すべきは、売上高の大きさに目を奪われて収益の本質を見失わないことだ。収益を重視する視点を常に持つことが、正しい判断を下すための鍵となる。
D社では、売上高ナンバーワンだったA商品が陳腐化し、売上の急激な減少が予想される状況に直面していた。このため、社長は頭を抱え、解決策を模索している状態だった。
A商品の売上減を補う候補として期待されていたB商品の売上増は、量的にはA商品の減少を到底補いきれそうになかった。しかし、収益面から検討した結果、実はそれほど深刻に心配する必要がないことが分かった。
A商品は過当競争の影響で収益性が極端に悪く、付加価値率はわずか16%だった。一方、B商品は高収益商品で、付加価値率が38%もあった。この差により、A商品と同額の付加価値を得るために必要なB商品の売上高は以下の計算で求められる。
0.16 ÷ 0.38 ≈ 0.42
つまり、A商品の売上減少額の42%の売上増をB商品で達成すれば、同額の付加価値を確保できるということだ。この収益性の違いのおかげで、A商品の売上減をカバーする負担は思ったほど大きくないことが分かった。
社長の見通しでは、努力次第でB商品の売上をA商品の売上減少分の42%増加させることは十分可能だと判断した。その結果、社長の表情は明るさを取り戻した。問題は収益が同じでも売上高が減少することによって生じる資金繰りの課題に絞られた。売上が減れば、当然その分の運転資金が不足するため、この課題をクリアする必要があったのだ。
収益性向上を妨げる経営の盲点
T社は長年にわたり赤字に苦しんでいた。社長は懸命に生産能力の向上を図り、材料費を削減し、経費削減のために厳格な予算管理を行うなど、多くの努力を重ねていた。しかし、事態は一向に改善されなかった。
「なぜこうなるのか?どこが問題なのか?」――これがT社長から私への相談内容だった。
私が行った商品分析の結果は、T社の赤字の原因を明確に示していた。その分析では、各商品の売上高、付加価値率、そしてそこから算出される付加価値額を比較した。
驚くべきことに、付加価値の絶対額で最も大きい商品は、売上高では4番目の順位にある商品だった。この事実が、T社の経営問題の核心を浮き彫りにしていた。
売上高でナンバーワンとナンバーツーの商品を合わせた付加価値額ですら、ナンバーフォーの商品に及ばなかった。これは、ナンバーワンとナンバーツーの商品が極端に低い付加価値率だったのに対し、ナンバーフォーの商品は非常に高い付加価値率を誇っていたためである。この差が、T社の赤字問題を引き起こす重要な要因だった。
それにもかかわらず、社長の方針は、売上高でナンバーワンとナンバーツーの商品を主力商品として最も力を注ぐことだった。一方で、ナンバーフォーの商品は、小型で見栄えがしないという理由からほとんど注力されていなかった。
ナンバーフォーの商品は主力商品とは見なされていなかったものの、根強い需要があり、「お客様の注文だから……」という消極的な理由で生産を続けていた。しかし、積極的な販売促進活動は一切行われていなかったのである。このバランスの誤りが、T社の赤字問題をさらに悪化させていた。
「ナンバーフォーの商品こそが真のドル箱商品です」と私は社長に説得した。その際、説得力を持たせたのは、具体的な付加価値の計算結果だった。このデータが、収益性を数字で裏付けた決定的な要因となった。
社長が方針を転換し、ナンバーフォーの商品に注力した結果、T社は驚くほど短期間で黒字企業へと転換したのである。この成功は、付加価値に基づく収益分析の重要性を如実に示していた。
S社長の長年の悩みは、同業他社と比較して従業員一人当たりの売上高に大差がないにもかかわらず、経常利益率が常に大きく下回っていることだった。その原因は、売上の大部分をデパートに依存していることにあった。一方、専門店の割合は小さかった。
デパート販売では高率の売上歩合を支払わなければならず、利益率が低くなる。一方、専門店では利益率が高く、収益性が優れていた。この売上構成の偏りが、S社の利益率を押し下げる主要な要因だった。
創業当時、会社のイメージを高めるために、格式の高いデパートは重要な得意先であり、重点的に取引を行うべき相手だった。しかし、時が経つにつれて、そのデパート重点主義は収益性の観点から限界に近づきつつあった。時代や市場環境の変化に合わせた見直しが求められていた。
社長は、「将来の発展のために、デパートは安定した得意先として維持しつつ、専門店を重点得意先として積極的に拡充したい」と考えていた。この方針は極めて正しい。それは、利益率の向上を図るだけでなく、販売チャンネルの多角化を進めることでリスクを分散し、経営基盤を強化することにもつながるからだ。
販売チャンネルは、創業期には一本に絞り、そこに販売努力を集中させることが重要である。これにより、特定の市場や顧客層での占有率を効率的に高めることができる。限られたリソースを一点突破で活用する戦略が、創業初期の成功には欠かせない。
一度、特定の販売チャンネルで必要な占有率を確保したら、次のステップとして新しい販売チャンネルに乗り出す。そして、そのチャンネルでも十分な占有率を達成したら、さらに次の販売チャンネルへと進出していく。このように、段階的に販売網を拡大することで、リスクを分散しつつ、着実に市場でのプレゼンスを高めていくことができる。
その場合、すでに確保した占有率を低下させるような状況があるなら、新しい販売チャンネルに乗り出すべきではない。既存の占有率を維持することが優先であり、それを犠牲にしてまで新たなチャンネルを追求するのは、経営資源の分散や収益の低下を招くリスクがあるからだ。既存の基盤をしっかりと固めた上で次のステップに進むことが重要である。
B社は、倉庫用の棚やスチール製什器類を取り扱っていたが、業績は赤字続きで非常に厳しい状況にあった。社長は日々の資金繰りに追われ、他の業務に取り組む余裕はほとんどなく、経営の改善に向けた動きが取れない状態だった。
B社の商品を益率の観点から分析すると、社長が最重点商品としているのは、大企業向けの特注品であり、大型物件だった。その理由は、これらの商品の売上高が大きく見えるからだった。しかし、この選択が利益率の観点から正しいかどうかは別の問題として浮かび上がってきた。
ところが、この大型特注物件は設計付きで、付加価値率がわずか15%しかなかった。さらに、会社のリソースが最も多く投入されていた。この種の物件は、途中での変更や追加がつきものであり、それらの費用を別途請求することはほとんどなく、実質的に「当方持ち」となっていた。これがB社の赤字を生み出す最大の原因だったのである。
一方で、社長があまり力を入れていない商品群の中には、ほとんど手間をかけずに右から左に流すだけで20%以上の粗利益を得られる商品があった。しかも、この商品は競争が比較的少なく、大きな努力をしなくても売れる状況にあった。これはまさに市場の「盲点商品」と言える存在だった。
推定需要もB社にとっては十分に魅力的なものであり、この商品は大きな可能性を秘めていた。そこで私は、この商品を重点商品として販売促進を強化するよう提案した。一方で、付加価値率が低く赤字の原因となっている大企業向け特注品については、段階的に撤退するべきだと勧告した。これにより、B社の経営を収益性の高い方向へシフトさせることができると考えた。
一度は私の勧告に従い、B社の業績は好転し始めた。しかし、しばらくすると、再び大企業向けの不採算商品に重点を移してしまった。これにより、せっかくの改善の流れが止まり、再び収益性の低い経営に逆戻りする可能性が高まった。
これでは救いようがない。大企業向けの大型物件で売上高が大きいという表面的な数字にとらわれ、利益率(益率)の重要性を完全に見失っているのだ。さらにもう一つの理由として、社長がこれらの大型案件を選ぶのは、「カッコイイ」というイメージに惹かれているからではないか、というのが私の推測だ。見栄えやステータスに惑わされ、実質的な収益性を軽視しているのが問題の根本にある。
J社は建築資材のメーカーであり、過当競争による収益低下により業績が極めて悪化していた。J社が最も力を入れていた得意先はゼネコンであった。ゼネコンからの工事受注では、工事費と資材費の合計で高額な売上が見込めるため、重点的に取引を進めていたのである。
しかし、ゼネコンからの受注は、ほとんど指値に近い価格を受け入れなければ他社に取られてしまう状況だった。その結果、低い付加価値率で我慢せざるを得ず、それがJ社の業績不振の大きな要因となっていた。
その他の商品を付加価値率の観点から調査していく中で、付加価値率が80%以上という非常に高収益な商品を発見した。通常、このような高付加価値商品は工数が多くなる傾向があるが、この商品に限っては、付加価値率が40〜50%程度の他の商品と比較して、工数はむしろ少なかった。この特徴が、J社の収益改善の大きな可能性を示していた。
さらに、この商品は他社では製造しておらず、競争がない状況だった。そのうえ、特別な販売活動をしていないにもかかわらず、売上は着実に伸びていた。まさに「シンデレラ商品」と呼ぶにふさわしい存在だった。
この商品は小型であるがゆえに、売上の絶対額が小さいため、社長は全く関心を示していなかった。しかし、この商品に注力し、高収益性を活かすことがJ社の業績改善の鍵だった。そこで、私はこの商品を重点商品として推進するよう提案し、ゼネコンからの受注は採算の取れるものだけを選択的に受けるべきだと勧告した。
これまでいくつかの企業の例を挙げてきたが、それらの社長たちに共通する欠陥が次第に浮かび上がってくる。それは、収益性よりも売上規模に目を奪われることで、本当に利益を生む商品や事業に注力できていないことだ。
第一に、収益性を示す重要な指標である付加価値率や粗利益率への認識が驚くほど低いという点が挙げられる。その一方で、原価への関心は非常に高い。しかし、その原価とは、実際には把握不可能な「全部原価」のことだ。この過剰な原価志向が、正しい経営判断を妨げている。
この状況から、原価計算の罪深さと、それが経営に与える根強い影響力の大きさを痛感させられる。収益性への意識を高めることが、経営の改善には不可欠である。
さらに、収益性の重要性を頭では理解していても、現状分析の甘さから、売上高が多い商品にばかり関心を寄せてしまう傾向がある。その結果、高収益商品を軽視し、低収益商品にリソースを集中させてしまう。こうした判断ミスにより、自らの手で会社の収益を低下させ、業績不振に苦しむ状況を招いているのである。
「現状分析の甘さ」と言ったが、そう断じてしまうのはやや酷かもしれない。なぜなら、社長は日々の業務に追われ、次々と発生する問題の処理に時間を奪われていることが多いからだ。この忙しさの中で、1つの事柄を深く掘り下げて考える余裕がないことが、結果として現状分析の甘さにつながっている場合もある。
さらに問題なのは、「社長は何をなすべきか」という問いに対する正しい答えが、誰からも与えられていないという点だ。その一方で、社長を誤らせるような理論や考え方が世の中に溢れ返っている。それらに惑わされ、方向性を見失って右往左往したり、経営上の優先事項を誤ってしまうことが多いのである。
第二の問題は、「カッコイイ」ことを追い求めてしまう傾向である。このために、多くの会社がどれほど業績を悪化させているかは計り知れない。官公庁、大企業、ゼネコン、デパートなどと取引を行うことは、「カッコイイ」と見られる。しかし、こうした取引が実際には収益性を圧迫し、会社の経営を悪化させる要因となっている場合が少なくない。見栄やステータスに引きずられた判断が、経営の本質を見誤らせるのだ。
第二の問題は、「カッコイイ」ことを追求してしまう姿勢である。このため、多くの会社がどれほど業績を悪化させているかは計り知れない。官公庁、大企業、ゼネコン、デパートなどと取引を行うことは一見「カッコイイ」ように思える。しかし、こうした取引が実際には収益性を低下させ、会社の経営を圧迫する要因となるケースが非常に多い。見た目やステータスを重視しすぎるあまり、本質を見失っているのだ。
しかし、官公庁はまだしも、大企業、ゼネコン、デパートといった取引先は、ほぼ確実にと言っていいほど、利益を出させてはくれない。その理由は単に力関係によるものだけではない。多くの中小企業が「自分も得意先に」と競い合い、これらの取引先を獲得しようとする状況が、結果として中小企業側の利益をさらに圧迫する構図を生んでいるのだ。
付加価値の減少は意外なほど大きく、それに対する認識がない社長は少なくない。この点を理解していないと、収益性の悪化が予想以上に深刻になってしまう。具体的な例で考えてみよう。
付加価値率が40%のA商品、20%のB商品、10%のC商品について、それぞれ5%の値下げを行った場合、付加価値がどれだけ減少するかを計算してみましょう。
まず、売価を5%値下げしても、変動費は変わらないという前提を考慮します。値下げによる付加価値の減少は、売価が下がることによって収益が減る分に相当します。
計算方法:
付加価値の絶対額は、売価から変動費を引いたものです。したがって、売価が5%値下げされた場合、付加価値額も5%減少します。
- A商品(付加価値率40%)
値下げ後の付加価値の減少 = 5%
付加価値額の減少 = 5%(値下げ分)× 40%(付加価値率) - B商品(付加価値率20%)
付加価値額の減少 = 5%(値下げ分)× 20%(付加価値率) - C商品(付加価値率10%)
付加価値額の減少 = 5%(値下げ分)× 10%(付加価値率)
値下げ後の付加価値額がどれくらい減少するかを、第25表に示されたデータに基づいて計算すれば、具体的な数値が求まりますが、減少率は商品の付加価値率に比例することがわかります。
収益性の判定についての正しい方法は、企業全体の視点から収益と費用の関係をシンプルに把握し、収益性を中心に判断することにあります。以下は、収益性の判定に関する具体的な方法です。
1. 単位当たりの原価ではなく、付加価値率を使う
従来の「単位当り原価」では、固定費が数量により変動するため、正確な判断が難しくなります。収益性の正確な判定には「付加価値率」が便利です。これは、売上から変動費(外部購入価値)を引いた「企業の生み出した収益」の割合です。付加価値率を用いると、売上高に惑わされることなく、収益性に注目できます。
2. 商品別収益性の比較
商品の収益性を評価するためには、単位当りの付加価値で比較します。例えば、次のような手順で収益性を分析します:
- 商品ごとの付加価値率を比較し、最も収益性の高い商品を特定する。
- 必要な収益に対して、どれだけの売上高が必要かを計算し、どの商品が効率的かを判定する。
このように収益性が高い商品を中心に販売戦略を組むことで、会社全体の利益を効率的に向上させられます。
3. 販売戦略の調整
収益性の低い商品や取引先を減らし、高収益商品に重点を置く戦略も有効です。例として、ある会社が収益性の低い取引を大企業向けに行っていたとしますが、収益性の高い小規模商品の販売に注力することで利益を向上させました。このように、販売戦略を適切に見直すことが重要です。
4. 市況変動への対応
市場の変動に応じて、付加価値の絶対額を慎重に確認します。例えば、値下げや値上げが付加価値にどのように影響するかを評価することで、必要以上の値下げや不適切な価格設定を避けられます。また、収益性の低い商品に頼らず、長期的な視点で顧客との信頼関係を維持することが大切です。
5. 変動費管理
収益性を左右するもう一つの要因として変動費があります。例えば、材料費や外注費などの変動費は、設計変更や購買方法の改善、歩留まり向上などで削減が可能です。しかし、変動費削減には限界があるため、過度に期待するのではなく、余裕分として考えるべきです。
6. 指標の管理と率での判断
企業全体を考える際には、単位当りの収益ではなく、付加価値率や粗利益率といった「率」を用いて収益性を管理します。これにより、企業全体の健全な収益構造を明確に把握し、正しい経営判断がしやすくなります。
まとめ
収益性の判定は、収益を中心とした指標(付加価値率や粗利益率)を使い、会社全体でのコスト構造を意識することが肝要です。このような前向きな収益判定と経営判断を行うことで、企業の成長と持続的な利益確保が可能になります。
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