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終わりに思うものが、魂の行き先を決める


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「臨終の時、私のみを念じて肉体を脱して逝く者は、私の状態に達する。この点に疑いはない。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第5節


■逐語訳

「死に際して、私(神)だけを思いながら身体を去る者は、確実に私(神)の境地に到達する。
このことにいかなる疑いもない。」


■用語解説

  • 臨終の時(プラヤーナ・カーレ)
     死の瞬間。人生の最終場面、魂が肉体を離れるとき。
  • 私のみを念じて(マーム・エーヴァ・スムラン)
     クリシュナ(神)だけに意識を集中し、他の一切を忘れて思念すること。
  • 肉体を脱して逝く(ムクタ・カレーヴァラム)
     魂が身体を離れること。死を意味する。
  • 私の状態に達する(マッド・バーヴァム・ヤーティ)
     神と同一の境地、すなわち神の本質に融合すること。解脱(モークシャ)とも通じる。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは明言する。「もし人が死ぬ間際に、他のことを一切忘れ、ただ私(神)を思い続けて肉体を離れるなら、その魂は神の境地に達する」と。
これは来世や霊的進化における確実な約束であり、「信の力」と「集中の力」の重要性を示している。


■解釈と現代的意義

この節は「死の瞬間における意識」が、魂の行方を決めるという深い真理を述べている。
そして、それは単なる偶然や一瞬の努力ではなく、日々の鍛錬と信仰の蓄積によって可能になるものだ。

現代的に言えば――
「最期の瞬間に何を思うか」が、「人生全体の方向性と質」を決める。
だからこそ、いま何を思い、何に心を傾けるかがすでに“そのとき”を準備しているのである。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
引退・転職・節目の意識最後に何を残したいのか、どう終えたいのかを意識すれば、今の行動の意味が明確になる。
集中力の鍛錬一つの対象に心を集中させる力は、日々の練習と選択によって磨かれる。それが成果を生む。
使命意識と最終ビジョン仕事でも人生でも「自分が最終的に到達したい状態」を明確に持ち続ける人は、ぶれずに行動できる。

■心得まとめ

「最期の一念が、永遠を定める。ゆえに、今こそ意識を整えよ。」

人生の締めくくりは、偶然ではなく日々の意識の総決算である。
死に際して神を思える人は、生きている間も神を思い続けた人である。
ビジネスにおいても、「最終的にどうありたいか」を心に刻み、常にそこへ意識を向けることが、確実な成果とぶれない姿勢をもたらす。


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