MENU

進む道が違えば、辿り着く地も異なる


目次

■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「実に、この黒白二道*は、世界にとって永遠のものと考えられる。一つの道によって不退転に達し、他の道によって再び回帰する。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章 第26節


■逐語訳

まことに、
この「白(明)の道」と「黒(暗)の道」という二つの道は、
この世界にとって永遠不変のものとされる。

そのうちの一つ――白の道(光明の道)をたどれば、
人は不退転(再生のない解脱の境地)に達し、

もう一つの――黒の道(闇の道)をたどれば、
人は再び回帰(輪廻)する。


■用語解説

  • 黒白二道(くろしろにどう)
    • 白道(光明の道)=第24節で示された「火・光・昼・満月・北進太陽」に象徴される道。死後、解脱(ブラフマンへの融合)に至る。
    • 黒道(闇の道)=第25節で示された「煙・夜・新月・南進太陽」に象徴される道。死後、一時の報いの後に再生される。
  • 不退転(アナーヴリッティ):輪廻からの完全な解脱。もう再び現世に戻ることはない状態。
  • 回帰(アーヴリッティ):再びこの世に生を受ける=輪廻の継続。

■全体の現代語訳(まとめ)

この世界には、死後にたどる道が二つあると、クリシュナは語る。
一つは、魂が完全に解脱してもはや生まれ変わらない道。
もう一つは、一定の徳を得た後でも再びこの世に戻る道。
これらは永遠の真理であり、避けることのできない選択である。


■解釈と現代的意義

この節は「死後の二つの道」という宗教的教義にとどまらず、
人生における“選択”の本質を語っています。

  • どのような道を歩むかによって、結果が根本的に異なる
  • 方向性が異なれば、たどり着く世界もまったく別のものになる
  • 一時の成果(黒道)と永遠の目的(白道)は、峻別されるべき

これは、日常生活や仕事、人生観において非常に深い示唆を与えます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
短期目標 vs 長期理念一時的な成果(売上・評価)ばかりを追えば「黒の道」に入る。理念に基づく持続可能な行動は「白の道」。
本質的価値の追求“目の前の勝ち”よりも、“信念に沿った勝ち”が最終的に不退転=再挑戦不要の成果に通じる。
組織選択・戦略設計どの方向性(ビジョン・カルチャー)を選ぶかで、会社全体の未来が決まる。選ぶ道が未来を決定づける。

■心得まとめ

「道を選ぶことは、未来を選ぶこと」

選んだ道が、すでに結末を内包している。
短期の甘さに走れば、再び始まりに戻る。
長期の覚悟で歩む者だけが、繰り返しから自由になる。
人生も、ビジネスも、進むべき道を誤るな。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次