税効果会計を適用することで計上される繰延税金資産と繰延税金負債は、貸借対照表に以下のように表示されます。
1. 表示場所
- 繰延税金資産
- 貸借対照表の資産の部に表示します。
- 「投資その他の資産」の区分内に記載されます。
- 繰延税金負債
- 貸借対照表の負債の部に表示します。
- 「固定負債」の区分内に記載されます。
2. 相殺表示
- 同一企業内で発生した繰延税金資産と繰延税金負債は、通常、相殺して表示されます。
- 相殺後の金額が資産または負債として表示されます。
- 相殺の結果が正の場合(資産超過):資産の部に記載。
- 相殺の結果が負の場合(負債超過):負債の部に記載。
3. 表示例
貸借対照表(資産の部)
資産の部
流動資産
現金及び預金 XX円
売掛金 XX円
...
投資その他の資産
繰延税金資産 XX円
その他 XX円
貸借対照表(負債の部)
負債の部
流動負債
買掛金 XX円
未払費用 XX円
...
固定負債
繰延税金負債 XX円
その他 XX円
4. 注意点
- 相殺しない場合
繰延税金資産と繰延税金負債を相殺せず、個別に表示することも認められていますが、通常は相殺表示が採用されます。 - 相殺条件
相殺するには、同じ税務管轄内で発生していること、または同じ納税義務に関連していることが必要です。 - 開示要件
繰延税金資産または繰延税金負債が貸借対照表に計上される場合、注記として主要な内容や金額の内訳を開示する必要があります。
まとめ
繰延税金資産と繰延税金負債は、それぞれ資産と負債の部に表示され、原則として相殺後の金額を表示します。この表示方法により、貸借対照表の構成がより明確になり、財務情報の透明性が向上します。
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