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真の勝利とは、己が汚れに打ち克つこと


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📖原文(日本語訳)

「汚れを滅ぼし尽くすことのできた人々は、わたしのような『勝利者』であると知るべきである。わたしは悪いことがらに打ち勝った。それ故にわれは勝利者である。ウパカよ。」

— 『ダンマパダ』第21章「如来」第5節


🔍逐語訳・用語解説

語句解説
汚れ(アスラヴァ)欲・怒り・無知などの煩悩。心を乱し、輪廻にとらわれさせる根源的要因。
滅ぼし尽くす一切の煩悩・汚染を根本から断ち切ること。完全なる浄化。
勝利者(ジナ)仏陀の別名。内なる悪・煩悩・誘惑に勝った者。真理と徳の完全な実践者。
悪いことがら行為・思考・衝動など、解脱の障害となるあらゆる悪徳・不善のこと。
ウパカ史実では、出家直後のゴータマ・ブッダと道端で出会った求道者。ブッダの境地を語ったとされる相手。

💡全体の現代語訳(まとめ)

あらゆる心の汚れを根絶した者は、私と同じように「勝利者」と呼ばれるべき存在である。私は、悪しきものすべてに打ち勝った。
だからこそ私は、勝利者なのだ――ウパカよ。


🧠解釈と現代的意義

この節では、仏陀が自らを「勝利者」と称する理由が明確に語られています。それは他者を支配したからではなく、自分の中の「悪しきもの=煩悩」に打ち克ったからです。これは、「外の勝利」ではなく「内なる勝利」が最も価値あるものであるという仏教の核心を象徴しています。

この教えは、現代に生きる私たちにも深い示唆を与えます。人生において本当に克服すべきものは、他人や環境ではなく、自分自身の中にある弱さや誘惑なのです。


💼ビジネスにおける解釈と応用

視点応用例
内面的リーダーシップ成果や勝敗に執着するのではなく、自分の中の怠惰や恐れ、欲望を克服する姿勢が真のリーダーを育てる。
感情コントロール怒り・嫉妬・不安といった内的衝動に打ち勝つことが、組織やチームへの安定した貢献につながる。
勝利の定義転換他者との競争や数字の勝ち負けを超えて、人格的成長を「勝利」とする発想が成熟を生む。
正直な対話自分の中の「逃げ」や「ごまかし」に向き合い、それを克服することで、人間関係にも深みが出る。

🧾心得まとめ

「己の煩悩に勝つ者こそ、真の勝利者である」

リーダーとは、他人に勝つ人ではなく、
自分の内なる弱さに打ち克つ人である。
怒りや欲望に流されず、悪しきものを断ち切ることでこそ、
本物の自由と尊敬が得られる。

――それが、仏陀の語る「勝利者」の本当の意味なのです。


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