大望を抱くことは結構である。
だが、その志ばかりを追って、
眼前の務めに誠を尽くさぬ者に、
功名も、利達も、望むべくはない。
目の前の仕事を軽んずる者は、
いかなる理想を語ろうと、地に足がついていない。
そして、地を踏まぬ者に、道は決して開けぬ。
与えられた職務。
任された一事。
それがたとえ些細に見えようとも、
そのときの全生命を注ぎ込んでこそ、道はひらける。
真面目にやりきる。
誠実にやり抜く。
そうした一事一事の積み重ねが、
知らぬ間に己の器を拡げ、
あるとき、大役を迎える土台となる。
功名とは、求めて得るものではない。
日々の務めに命をかける者の前に、
ふと訪れる縁である。
小事を侮るなかれ。
目の前の一事こそ、
未来をつくる一事である。
○与えられた仕事にその時の全生命をかけて真面目にやり得ぬ者は、いわゆる功名利達の運を開くことはできない。
コメント