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欲望を根ごと断て、真の自由はそこにある


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第59偈)

紐と革帯と、悪い欲求と貪ぼりとを断ち切って、
妄執を、根こそぎにえぐり出して、

かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。


🔍 逐語訳(意訳)

  • 心と身体を縛る「紐」や「革帯」――象徴的な束縛、
  • 「悪しき欲求」と「貪欲(とんよく)」――心を濁らせる煩悩、
  • それらすべてを断ち切り、
  • 最後に残る「妄執(あらゆる執着)」を根本から引き抜いた者は、
  • 真の〈バラモン〉と呼ばれる。

🧘‍♂️ 用語解説

用語解説
紐と革帯比喩的に「執着」や「欲望」による束縛を象徴する。前偈58と連続的。
悪い欲求(悪欲)利己的・破壊的な欲望。
貪ぼり(貪欲)過剰な所有・欲求・依存の感情。
妄執無明(真理を知らない心)から生じる、自己・所有・関係への固執。
根こそぎにえぐり出す単なる抑圧でなく、「原因ごと断ち切る」=真の解脱を意味。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

身体や心を縛るあらゆる欲望や貪欲――
それらを表面的に抑えるのではなく、
根本にある「妄執」ごと、引き抜き、絶ち切ったとき、
人は真に自由となる。
そのような人こそが、仏陀の語る〈バラモン〉である。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、「我慢」ではなく「根絶」こそが解脱だと語ります。
内面の奥深くに潜む「無意識的な執着」――たとえば、評価されたい、認められたい、持っていたいという欲望を手放さない限り、真の安らぎは得られません。

まさにここで説かれているのは、**「表面的な振る舞いではなく、根本的な心の変容」**なのです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点実践への応用
執着の見極め目標達成への意欲が「執着」に変わった瞬間、判断が狂い始める。動機を観察せよ。
組織マネジメント利益や数字だけを追い続けると、組織は「貪欲」に染まる。価値観を共有し、妄執を断て。
意思決定の透明性私情や自己都合(評価・見返り)から自由な判断が、信頼と公正を生む。
リーダーの条件「執着のない人」は、視野が広く、最終的に強い信頼を得る。

💡 感興のことば:心得まとめ

「根にある執着を断ち切る時、はじめて本当の自由が訪れる」

欲望は、
葉ではなく、枝でもない。

根にある。

表面を切っても、
いずれまた芽吹く。

だからこそ――
根こそぎにしなければならない。

それができたとき、
あなたはもう、何ものにも縛られていない。


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