目次
■原文
私は万物の永遠の種子であると知れ。
私は知性ある者たちの知性であり、威光ある者たちの威光である。
(第7章・第10節)
■書き下し文
我を万物の常住なる種子と知れ。
我は、知ある者の知なり、威光ある者の威光なり。
■現代語訳(逐語/一文ずつ)
- 私を万物の永遠の種子であると知れ。
→ 私はすべての存在の原因であり、永遠に続く創造の根源である。 - 私は知性ある者たちの知性であり、威光ある者たちの威光である。
→ 知恵を持つ者の知恵、威厳ある者の輝きも、私の現れである。
■用語解説
- 永遠の種子(bījaṁ avyayaṁ):あらゆる存在の始まりでありながら、変わることのない原因。宇宙的創造の原理。
- 知性(buddhi):認識力・判断力・智慧などを指し、個人の精神的中核。
- 威光(tejas):前節の光輝と重なる語。人徳、威厳、カリスマ性なども含まれる。
■全体の現代語訳(まとめ)
私はすべての存在を生み出す永遠なる種子である。知性ある者の知性、威厳ある者の輝きも、すべて私の一部である。
■解釈と現代的意義
神(クリシュナ)は、物質や現象の根源だけでなく、人間の内面に現れる知性やリーダーシップ、威厳といった特質にも顕れる。したがって、知的活動や人格の成熟そのものが、神性とつながる道となる。
■ビジネスにおける解釈と適用
- ビジョンの「種」を育てる力
→ あらゆる事業の根源には、創造的な「種」がある。理念や構想が大切にされれば、永続的な価値となる。 - 知のマネジメント
→ 経営において、知性は最大の資本。知を生かし、活用できる環境を整備することが競争力につながる。 - リーダーシップの本質は威光(人格)にあり
→ 外形的な地位ではなく、内面的な成熟と倫理が、人を引きつける「威光」となる。それを育てることが組織の持続性を生む。
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