精算表は、決算整理前の試算表から始まり、決算整理仕訳を反映して、損益計算書と貸借対照表を完成させる過程を1つの表にまとめたものです。
精算表の形式
各欄の構成
- 試算表欄
- 決算整理前の残高を記入。
- 資産・費用は借方、負債・収益は貸方に記載。
- 修正記入欄
- 決算整理仕訳を記入。
- 仕訳の借方・貸方をそのまま記載。
- 損益計算書欄
- 収益:貸方に記載。
- 費用:借方に記載。
- 貸借対照表欄
- 資産:借方に記載。
- 負債・純資産:貸方に記載。
- 当期純利益(または当期純損失)
- 損益計算書欄と貸借対照表欄の差額を計算し記載。
- 当期純利益の場合:
- 損益計算書では貸方、貸借対照表では借方に記載。
- 当期純損失の場合:
- 損益計算書では借方、貸借対照表では貸方に記載。
精算表の作成手順
- 試算表欄の記入
- 決算整理前の試算表の借方・貸方をそのまま記入します。
- 修正記入欄への記入
- 決算整理仕訳に基づき、修正すべき金額を記入します。
- 例:減価償却費、売掛金の貸倒引当金、未払費用など。
- 損益計算書欄と貸借対照表欄の記入
- 収益・費用勘定科目は損益計算書欄に転記。
- 資産・負債・純資産勘定科目は貸借対照表欄に転記。
- 当期純利益(または当期純損失)の計算と記入
- 損益計算書欄と貸借対照表欄の合計を比較して、差額を計算。
- 計算した当期純利益または当期純損失を記入します。
棚卸減耗損と商品評価損の処理
1. 仕入勘定に振り替える場合
- 仕訳
借方:仕入 ×××円
貸方:棚卸減耗損 ×××円
- 精算表の記入
- 修正記入欄:棚卸減耗損の金額を記入。
- 損益計算書欄:仕入勘定として合算して記載。
2. 独立の勘定として表示する場合
- 仕訳
借方:棚卸減耗損 ×××円
貸方:仕入 ×××円
- 精算表の記入
- 修正記入欄:棚卸減耗損の金額を記入。
- 損益計算書欄:独立した科目として記載。
精算表のサンプル
勘定科目 | 試算表欄(借方) | 試算表欄(貸方) | 修正記入欄(借方) | 修正記入欄(貸方) | 損益計算書欄(借方) | 損益計算書欄(貸方) | 貸借対照表欄(借方) | 貸借対照表欄(貸方) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
現金 | 10,000 | 10,000 | ||||||
売掛金 | 20,000 | 20,000 | ||||||
仕入 | 50,000 | 50,000 | ||||||
棚卸減耗損 | 1,000 | 1,000 | ||||||
売上 | 70,000 | 70,000 | ||||||
買掛金 | 30,000 | 30,000 | ||||||
資本金 | 50,000 | 50,000 |
当期純利益: 損益計算書欄と貸借対照表欄の差額。
ポイント
- 正確に科目を分類することが精算表作成の基本です。
- 修正記入欄の仕訳を正確に反映させることで、損益計算書と貸借対照表が一致します。
- 棚卸減耗損や商品評価損は、仕入勘定に振り替えるか独立勘定で表示するかを判断する必要があります。
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