孔子は、人間関係と自己改善の基本についてこう語った。
「人とのつき合いでは、まず**忠(まごころ)と信(誠実さ)**を大切にせねばならない。
また、自分より劣る者だけを選んで友とするようなことがあってはならない。そして、もし自分に過ちがあったと気づいたら、
それを改めることを恐れてはいけない。」
これは、人との関わり方と、自分との向き合い方の双方において、誠実であることの大切さを説いた章句である。
自分より弱い立場の人とばかりつき合うのは、自分を甘やかすだけ。
逆に、自分より優れた人物と交わることで、学び、刺激を受け、成長するきっかけが生まれる。
また、どんなに立派な人であっても、過ちはある。
大切なのは、その誤りを素直に認め、即座に改めることができるかどうか。
それができる人こそ、真に強く、成熟した人物なのだ。
原文(ふりがな付き)
「子(し)曰(いわ)く、忠信(ちゅうしん)を主(しゅ)とし、己(おのれ)に如(し)かざる者(もの)を友(とも)とすること毋(な)かれ。過(あやま)ちては則(すなわ)ち改(あらた)むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ。」
注釈
- 忠(ちゅう)…まごころ。人に対して真っ直ぐであること。
- 信(しん)…誠実さ。嘘や裏切りのない人間関係。
- 己に如かざる者…自分より劣っていると見なした相手。そうした人とばかり関わるのは成長の妨げとなる。
- 改むるに憚ること勿れ…過ちを恥じて改めることをためらってはならない。即座の修正が大切。
コメント