目次
■原文(日本語訳)
一方、孜々(しし)として努力するヨーギンは、その罪が浄められ、多生を経て成就に達し、
かくて最高の帰趨(きすう=最終的な行き着く先)に達する。
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第45節
■逐語訳(一文ずつ)
- 一方で、努力を重ねるヨーギン(修行者)は、
- その過ちや罪(過去の行為)を清められ、
- 多くの生を経たのちに、
- ついにはヨーガの完成に達し、
- 最高の目的地(=解脱)に至る。
■用語解説
- 孜々(しし)として努力する:たゆまず、こつこつと精進し続けるさま。
- 罪(パーパ):ここでは道から外れた行為、過去の不徳なカルマを指す。
- 多生(たしょう):多くの生まれ変わり、つまり前世・来世を含めた輪廻の過程。
- 成就(シッディ):修行の完成、ヨーガによる精神的成熟の到達。
- 最高の帰趨(ムクティ):最終的な到達点、すなわち解脱=自由・悟りの境地。
■全体の現代語訳(まとめ)
一方で、たゆまず努力を続ける修行者は、過去のあやまちを清めながら、何度も生まれ変わることで、ついには修行を完成させ、最終的な悟り=解脱に到達する。
■解釈と現代的意義
この節は、「たとえ完成に至らずとも、継続的な努力は意味がある」という希望のメッセージです。
魂の旅は一生で終わらず、多くの生をかけて達成されるとされます。
失敗や中断があっても、真摯に努力し続ければ、必ず到達する場所があるという確信を与えます。
これは霊的道に限らず、現実の人生や仕事、学びにおいても共通する原理といえるでしょう。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 解釈・応用 |
---|---|
長期視点 | 短期の結果で一喜一憂せず、継続の中で進化が起きる。 |
失敗への理解 | 途中の失敗や後退は、浄化のプロセス。成就を遠ざけない。 |
積み上げの価値 | 前回の努力が活かされ、次の挑戦に役立つ。時間は無駄ではない。 |
継続力の育成 | あきらめずに進む姿勢が、最終的に成功を生む力となる。 |
■心得まとめ
「積み重ねは、時を超えて報われる」
失敗しても、諦めなくていい。
振り出しに戻ったように見えても、
魂は前進している。努力は消えない。
時に磨かれ、やがて光となって
あなたを最高の場所へ導くだろう。
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