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門を閉じ、心を鎮め、頂に気息を集めよ――解脱への集中法


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「身体の一切の門を制御し、意(思考器官)を心中において遮断し、自己の気息を頭に止め、ヨーガの保持に努め、」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第12節


■逐語訳

「身体のすべての門(感覚器官)を閉じ、
思考を心の内に沈めて外界とのつながりを絶ち、
呼吸(生命エネルギー)を頭頂に保ち、
ヨーガの境地を保ち続ける努力をする者は――」

※この節は文が未完であり、次節(第13節)で文意が続きます。


■用語解説

  • 身体の一切の門(サルヴァドヴァーラーニ)
     五感(目・耳・鼻・舌・皮膚)および行為器官(手・足・口など)。外界との接触をもたらす機能。
  • 意を心中に遮断し(マナオ・フリディ・ニルブドゥヤ)
     思考を沈静化し、内面の静けさの中に収める。感覚刺激から心を切り離す。
  • 気息を頭に止め(ムールニャーダーヤー・アートマナハ・プラーナム・アーヴェーシャ)
     プラーナ(生命エネルギー)を頭頂(サハスラーラ・チャクラ)に集中させる高度なヨーガ技法。
  • ヨーガの保持に努め(ヨーガダラナ)
     意識と呼吸を一点に保つ努力。精神集中・統一を継続する修行姿勢。

■全体の現代語訳(まとめ)

解脱を望む者は、感覚器官を抑え、心を内面に沈め、呼吸を頭頂に集中させ、
ヨーガ(精神統一)の状態を確保しながら臨終を迎えるように努める。
これは極めて高次な精神集中のプロセスであり、肉体・心・呼吸の完全なる統御を示している。


■解釈と現代的意義

この節は、臨終における「魂の上昇プロセス」――すなわち、霊的集中の実践法を示す技術的説明でもある。
しかし、これは死の直前だけの話ではなく、**生の中で心と身体を整える「訓練の在り方」**としても読むべき内容である。

外界に振り回されず、内なる静けさと集中を養い、
生命力(呼吸・意識)を自分の中心に統合すること――
それが、最終的に自己超越を可能にする道であると説かれている。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
集中環境の整備外部刺激(通知・雑音・他人の評価)を遮断し、静かな時間・空間を意図的につくることで、思考の質が飛躍的に高まる。
自己統御力の強化感情・欲望・衝動に流されず、意識を一点に集める訓練(瞑想・深呼吸・習慣管理など)は、ビジネスのあらゆる局面で役立つ。
内面的集中の持続目の前のプレゼン・交渉・判断などに100%の集中を注ぐことで、短時間でも高い成果が生まれる。持続的集中力は競争優位。

■心得まとめ

「外を閉じ、内を整えよ。集中の先に、魂の上昇がある。」

五感を閉じ、心を鎮め、呼吸を制し、精神を一点に集中する――
それは単なる修行の話ではない。
日常の喧騒に流されず、自己を整える術として、
現代の私たちにとっても極めて実用的である。
ビジネスにおいても、**「一瞬の集中の質」**こそが、結果を大きく左右するのだ。

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