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この不完全な身でこそ、完全なる安らぎに至れ


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引用原文(現代語訳)

病患になやみ、脆いこの臭穢の身体をもって、
最上の安らぎ、無上の安穏に落ちつけよ。


逐語訳と用語解説

表現解釈・補足
病患になやみ病気に苦しみやすい性質。身体の常態が不安定であることを強調。
脆いこの臭穢の身体老い・死・不浄の対象としての身体の描写。堅固で永続的なものではない。
最上の安らぎ(涅槃)一切の苦・煩悩・執着を超えた境地。「至福」「解脱」とも訳される。
無上の安穏それ以上の平安がないという究極の境地。

全体の現代語訳(まとめ)

たとえこの身体が、
病に苦しみ、脆く、
穢れに満ちていたとしても──
それでも、
この身体を通してこそ、
最も高い安らぎ、
無上の平安に至ることができるのだ。


解釈と現代的意義

この偈は、仏教の根本的な洞察である**「不完全な存在が、完全な境地を目指すことの尊さ」**を象徴しています。
身体はたしかに苦と無常の象徴であり、不浄でもあります。
しかしその身体を通してこそ、修行がなされ、智慧が育ち、悟りに至る道が開かれるのです。

これは、「この世そのものを捨てよ」ではなく、
**「この世の苦しみを素材として悟りを開け」**という、極めて実践的で現実肯定的な教えでもあります。


ビジネスにおける解釈と適用

観点実践的な適用例
不完全な条件の中での最善の追求完璧なリソース・環境が整うのを待つのではなく、今ある制限の中で成果と学びを最大化する。
“弱さ”を通じた成長と成熟病気や困難な経験が、自己内省・他者理解・リーダーシップの深化につながる。
苦しい現場でこそ、真の使命が育つ苦しみのあるプロジェクト・職場でこそ、人は本質的な志や価値観と向き合える。
身体と心の共修文化の形成肉体のケアと精神的な鍛錬を両立させる健全な組織運営(例:マインドフルネス・健康支援)

心得まとめ(感興のことば)

「穢れた器にこそ、仏の光は宿る」
病に悩み、
老いに震え、
穢れに満ちたこの身こそ、
悟りの炉であり、
真理を磨く砥石である。
不完全さを憎まず、
その中にこそ完全なる道を見出せ。


この偈は、自己否定を超えたところにある**“自己超越”の契機**を私たちに示してくれます。

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