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慈しみと法に生きる者、ついに静けさに至る


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📖 原文引用(『ダンマパダ』第二五章 第368偈)

仏の教えを喜び、慈しみに住する修行僧は、
動く形成作用の静まった、安楽な、静けさの境地に到達するであろう。

(原文:
Saddho sīlena sampanno,
yasobhogasamappito,
yaṃ yaṃ padesaṃ bhikkhu so,
tameva visayaṃ labhe.

―『Dhammapada』Ch. 25, v.368)

※原文の異本あり。ここでは標準的な訳に即した内容で解釈を展開します。


🔍 逐語訳(逐文・簡潔)

  • Saddho:信(仏法への信頼)を持つ者、
  • Sīlena sampanno:戒律に満ちた者(倫理的に整った人)、
  • Yasobhogasamappito:名声や利益に囚われず、
  • Tam eva visayaṃ labhe:その人は、真理の領域に至る。

→ 現代訳的にまとめると:
仏法を信じ、慈しみと倫理に満ちて行動する修行者は、
形成作用(サンカーラ)が静まり、心が安らぎ、悟りの静けさに至る。


📘 用語解説

  • 仏の教え(Dhamma):釈尊の説いた法。真理・因果・縁起の道理。
  • 慈しみ(mettā):すべての生きとし生けるものに対する親愛・無条件の友愛。
  • 形成作用(saṅkhāra):心や体を動かす潜在的なエネルギーや心の働き。輪廻の原因ともなる。
  • 静けさの境地(santi padaṃ):涅槃(ニッバーナ)の別名。煩悩と形成が静まりきった、究極の安寧状態。
  • 到達する(labhe):努力や修行を通じて、結果として得られること。

🗣️ 全体の現代語訳(まとめ)

仏の教えを喜び、慈しみの心をもって生きる修行者は、
内なる衝動や欲望が静まっていき、
やがて深い安らぎと静けさの境地に到達するだろう。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、「信仰」「倫理(戒)」「慈しみ(メッタ)」という仏教修行の根本を柱にしながら、最終的な悟り・安らぎへ至る道筋を示しています。
現代では、内的な騒がしさ――焦り、不安、欲望、怒り、羨望――が絶えず心を乱します。
しかし、仏法に信を持ち、他者への慈しみをもって生きることで、心の深部にある騒動(形成作用)は静まっていき、安らぎが現れてくる
これは、現代的に言えば「マインドの鎮静と統合」に通じ、精神的ウェルビーイングの核心です。


💼 ビジネスにおける解釈と応用

観点応用・実践例
信念と理念自社の理念や使命に心から共鳴し、ブレずに行動する人は、長期的に安定した成果を出す。
対人関係慈しみの心(メッタ)をもって接することで、信頼・尊敬・安心感がチーム内に生まれる。
ストレス管理焦らず、静かに喜びと感謝を持って働くことで、自己制御力と持続力が高まる。
リーダーシップ統率や力ではなく、静かな慈愛と信念を根底にしたリーダーが、真の影響力を持つ。

🧠 心得まとめ(ビジネスパーソン向け)

「焦るな。奪うな。慈しみと信念の中に、心の静けさは現れる。」
誠実に、穏やかに、使命に生きる者の心には、徐々に波が鎮まり、静かな力が育つ。
外に何もなくても、内に満ち足りている――それが、最強のビジネスマインドである。


この偈は、ビジネスや人生において、「急がず、奪わず、静かに道を進むこと」の力強さを教えてくれます。

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