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法に喜び、慈しみを宿す者は、やがて静寂に至る


目次

📜引用原文(日本語訳)

二〇*
仏の教えを喜び、慈しみに住する修行僧は、
見るも快い、静けさの境地に到達するであろう。
― 『ダンマパダ』 第二章 第二〇偈


🔍逐語訳(文ごとの意訳)

  • 仏の教えを喜び:仏法(ダンマ)に触れることを心の喜びとし、日々その教えを生きる糧としていること。
  • 慈しみに住する修行僧は:他者を傷つけず、すべての存在に対して優しく温かな心(慈)を持ち、それを常に実践している者は、
  • 見るも快い:その姿は見た人に安らぎや尊敬を与える。人格が態度に滲み出ている。
  • 静けさの境地に到達するであろう:最終的には、煩悩の騒ぎを離れた「寂静(じゃくじょう)」の境地、すなわち悟り・涅槃へと至るだろう。

📚用語解説

用語解説
仏の教え(ダンマ)仏陀が説いた真理。縁起・無常・無我・八正道など、悟りに至る道理。
慈しみ(慈)仏教四無量心の一つ。「すべての存在が幸せであるように」と願う無条件の優しさ。
静けさの境地心の騒ぎが止み、煩悩・苦しみから完全に解放された状態。涅槃や定(じょう)に近い。
見るも快い修行僧の立ち居振る舞いに穏やかさがにじみ出ており、人々に安心感を与える状態。

🪞全体の現代語訳(まとめ)

仏の教えを心から喜びとし、すべての命に対して慈しみの心をもって生きている修行者は、
その姿そのものが穏やかで魅力的であり、やがては煩悩のない、静かで安らかな境地に至るであろう。
それが、修行の本質であり、最も美しい生き方である。


🧠解釈と現代的意義

この偈は、「智慧(法の理解)と慈しみ(優しさ)の両輪こそが、安らぎへと導く道」であることを教えています。
現代においても、知識だけでも、優しさだけでも、心は安らぎません。
真理に基づいた行動と、他者を思う気持ちが一致したとき、内なる静寂と調和が生まれるのです。

また「見るも快い」とは、心の美しさが外ににじみ出る人格の力を意味します。
それは派手さではなく、「在り方」の美しさ。まさに現代のロールモデルといえるでしょう。


💼ビジネスにおける解釈と適用

観点実践への応用例
価値観と行動の一致組織理念や信念を「喜び」として実感し、それに沿った行動を実践する人は、内外から信頼される。
リーダーの人格力知恵と優しさを備えたリーダーは、その存在だけで周囲に安心感と影響を与える。
エモーショナル・インテリジェンス他者に慈しみをもって接することで、職場の対話や協力関係が円滑になり、長期的成果につながる。
静けさのリーダーシップ声高に主張せずとも、内なる静けさと一貫した姿勢を持つリーダーは、自然と人を惹きつける。

✅心得まとめ

「智慧を喜び、慈しみをもって歩む者は、やがて静寂の岸に至る」

法に導かれ、慈しみを生きる――それは表面的な優しさでも、知識の誇示でもない。
心の深さと柔らかさが調和したとき、人は見ただけで信頼され、尊ばれる。
そんな在り方を目指してこそ、私たちもまた「静けさの境地」に近づくのです。


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