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Column組織図作成の具体例:家電店A社

Column組織図作成の具体例:家電店A社これまで度々例に挙げてきた家電店A社を例に組織図作成のステップを見ていきましょう。A社では、中期経営計画を考え始めた時点では図11のような組織図でした。トップから下位への指揮命令系統の一貫性を重視した組織形態で、管理者の指示が直接部下に行き届くようになっており、権限の責任がわかりやすいため、中小企業の強みである「スピード」を活かすことができるものです。

ただしこの形態は、ある程度規模が大きくなると「管理者に権限が集中しやすく負担が大きくなる」、「階層が幾重にもなる」等の問題が生じ、統制範囲が不明確になったり、情報伝達が遅れ、強みであったスピーディーな意思決定が阻害される可能性も有しています。A社の3年後の定性目標、及び3つの競争原則達成のためには変革が必要と考えられました。A社の3年後の定性目標お客様から「価格」でなく「価値」で選ばれる会社となり地域の勝ち組へ!3つの競争原則●狭域エリアのシルバー層が利用する電器屋として地域NO.1となる●効率優先の大手が真似できない、「手間のかかる」サービスに特化し、価格では勝負しない●思い切った顧客の絞り込みと顧客の分類を行い、ロイヤルユーザーを徹底して育成し、価格だけでしか判断しない顧客は相手にしないこれを実現していくために、まず1年目は、現在の営業部と修理部を統合した「顧客サポート部」を新たに設け、さらに、店舗経営と訪問サポートの機能を切り分けて、主要顧客に特化したサポートチームを編成することにしました(図12)。さらに2年目は顧客(シルバー層)に対する市場調査やマーケティングを行う機能を強化し、顧客満足度を高める店舗イベント・商品開発・仕入を担う「サービス開発部」を創設。3年後には囲い込んだ顧客に対して、高付加価値商品を提案するために「新事業開発室」を設け、大手が真似できないサポートに特化した組織構造を完成させました(図13)。

戦略目標がきちんと定まっていない企業において3年後の組織構造をイメージすることは困難ですが、A社のように明確な目標が設定されている場合は、このように「いかにして目標を実現するか」、「どのような段階を踏めばいいか」と考える中で、自ずとふさわしい組織像が浮かんで来ます。後は誰に各部門・業務のキーマンになってもらうか、なのです。

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