需要と供給のバランスを意識することは採用でも集客でも重要な考え方です。供給が多い場所で勝負をすれば、他社との取り合いになってしまいます。
たとえば、事例でご紹介した東京の杏雲堂病院さんなどは、東京での看護師採用というほかの病院がとても苦労をしている職種での採用活動に成功され、年間一五〇〇万円の人材紹介料も0円に。
さらに応募者の質も上がりました。これは病院に確固たる理念があったから、他病院と差別化ができたのです。ほかの病院と差別化することで、応募者にとってとてもカラーが出た存在となります。要はブランド化したのです。
「杏雲堂病院の考え方はこうだと応募者が話せるほどに」です。自社ホームページまで見に来る応募者の感情を考えたことはありますか?
その応募者は、紙媒体や転職サイトで御社の募集条件面をチラ見して応募してきた応募者とは意識レベルが違うと想像できると思います。
そのような意識の高い訪問者がやってきたチャンスに、ちゃんとした「おもてなし」ができないのであれば、せっかくの応募者が逃げていきますよ。
ほら、いまこの瞬間も。自社の求人ページはとにかく採用成功のためには絶対に必要なのです。
ただ、「カッコイイ」などデザインやフラッシュと呼ばれる動くページに凝ってしまってはいけません。ここにだけはご注意ください。
ホームページは見るのではなく、読んでもらうのが目的です。応募者の心に届くのは、「メッセージ」つまり、文章や言葉のみです。
たとえば、本書で画像はほとんどありません。文字のみです。でも、本書から何かしら心に響くものがあったのなら、それは「メッセージ」つまり、文章や言葉ですよね。
自社の求人ページを見直したり新しく作る場合は、必ず「採用の本当の目的」を実現できたかどうかでPDCAサイクルを回してください。
求人ページもカイゼンあるのみです。
弊社も求人ページを公開後、訪問者のデータを見ては何度も修正をかけています。プロですら最初に作ったページよりPDCAを回した後のほうがいいページができますので、ぜひ、あなたの会社も取り入れましょう。
第五章のまとめ
①求人募集が採用活動のメインではない。
②中小企業のウリは企業理念と経営者。ここを上手にアピールしよう。
③選考力を身につけることで陥る壁が見えてきたことにより、応募者の質を上げる必要性がある。
④応募者数が多かった=求人募集の成功という概念を捨てることで、本当に良い採用活動とは何なのかを学び、他社と圧倒的な差をつけよう。
⑤応募者の心に響く、いなだ式採用術(感情採用)とは、条件面ではなく、会社にほれて応募がある、企業・応募者双方にとって最高の求人募集方法。
⑥ブレない一貫したメッセージを発する重要性を知り、採用活動を通じて、自社内のカイゼンまで視野に入れよう。
エピローグ
ここまでお読みいただきありがとうございました。最後に私から、お願いがあります。この本をここまで一気に読んでしまったのであれば、明日から一週間かけて再度、読んでいただけませんか?本を読むのがあなたの目的ではなかったはずです。また知人や職場の人からこの本を薦められたのであれば、彼らはただ読んでもらいたいからオススメしたわけではないはずです。「得てほしいものがある」「悩みを解決してもらいたい」という善意の気持ちからでしょう。であれば、その目的を達成させましょう。書籍というのは、著者の数十年の人生が詰まっています。そして、それぞれの分野に自分の命をささげ、その道のプロと呼ばれる人たちが書いています。彼らは多額の投資と数多くの失敗をして独自のノウハウを確立させました。どの著者も世の中のためにと思って自分のノウハウを本にしています。でもそれらのノウハウは読者であるあなたが実践してこそ意味があります。あなたは書評家ではないのですから、私のノウハウをぜひ、この本から盗んで自社のビジネスに生かしてください。私を信じる、信じないはあなたの自由ですが、本書を読んで、「これは使える」「これは導入したい」と思ったあなたの気持ちは信じてください。私にうそをついてもいいですが、決してご自分にうそをつかないでくださいね。あなたが採用のスキルを手に入れた証しをぜひ、あなたの会社に導入しましょう。喜びのご報告を私は楽しみに待っています。事例としての掲載を快諾してくださった錦部製作所さん、杏雲堂病院さん、そして、弊社と一緒に成長しているクライアントの皆さま、この本を世に出すキッカケを与えてくださった編集の佐藤房子さん、そして、この本と出会ってくださったあなたに心から感謝いたします。本当に本当にありがとうございました。最後に私をいつも支えてくれる真紀、聡友。そして私を育ててくれた家族である富太、絹惠、かずゑ。いままでいろいろ迷惑もかけたけど、本当にありがとう。
プレゼントのお知らせ読者の方々に、「面接シート」や「特別音声セミナー」、さらに紙面の都合上掲載できなかった箇所を、稲田行徳より特別にプレゼントいたします。以下の「採用の教科書購入者専用ホームページ」にアクセスし、プレゼントをお受け取りお受けとりください。なお、アクセスするにはユーザー名とパスワードが必要です。ホームページにアクセスし、必要項目を入力してください↓http://book.srinada.jp/ユーザー名:bookパスワード:tokuten
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