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内面を浄めた者だけが、真の装いをまとう


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📜 引用原文(『ダンマパダ』第一章 第十偈)

けがれた汚物を除いていて、
戒律をまもることに専念している人は、
自制と真実とをそなえているから、
黄色の法衣をまとうのにふさわしい。
――『ダンマパダ』 第一章 第十偈


🔍 逐語訳

  • 心のけがれ(煩悩や邪念)をしっかりと取り除き、
  • 修行者としての戒律を守ることに専心しており、
  • 欲望を抑える自制心と、偽らぬ真実の心を持つ人は、
  • 仏道に生きる者として、僧衣(黄色の法衣)をまとうにふさわしい。

📘 用語解説

用語解説
けがれた汚物(アスッチ)心を曇らせる煩悩、怒り、欲、無知などの精神的な不浄。仏教ではまずこれを浄める修行が第一歩とされる。
戒律(シーラ)僧侶や修行者が守るべき行動規範。五戒・八戒・十戒など。心と行為の浄化のためのルール。
自制(サマ)衝動・欲望に支配されず、理性と意志によって節度ある行動を保つこと。
真実(サッチャ)嘘をつかず、内外に誠実であること。仏教における五戒のひとつでもある。
黄色の法衣出家者の象徴。仏教における修行・清浄・無所有の精神を表す衣。形式だけでなく中身が問われる。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

もし人が内なる穢れを払い、戒律(規範)を守り抜く誠実さと、自己を律する強さ、真理を大切にする心を持っているならば、
その人こそ、仏の教えにふさわしい者である。見た目や肩書きではなく、「どう生きているか」が、その人を定義する。
法衣は“権威”の象徴ではなく、“実践”の証である。中身が整ってこそ、外見が本物になる。


🧠 解釈と現代的意義

この偈は、第九偈と対を成しており、「内面の清らかさ」があってこそ、外面的な装いも意味を持つと説いています。
現代では「見た目」や「肩書き」に先んじて中身を問われる時代です。どれだけ美しいスーツを着ても、
どれだけ高尚な理念を掲げても、誠実さや節度がなければ人々の信頼は得られません。
逆に、信念をもって努力し、正しく生きる者は、やがて自然とその姿にふさわしい評価を得るのです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
信頼構築ポジションや資格よりも、誠実な態度と日々の行動が信頼の土台を築く。
誠実なリーダー像言葉だけでなく、規律を守り、結果に対して責任を取る人が真に尊敬される。
人材評価経歴や見た目でなく、行動・意志・態度に着目することが、組織の健全性を保つ鍵となる。
企業文化の浄化内部の倫理や実践がともなってこそ、ビジョンやミッションは真に響く。表面だけの「いい会社」は見透かされる。

🪷 心得まとめ

「真に価値ある装いは、内面の誠実と節制から生まれる」
肩書きや立場にふさわしいかどうかは、
見た目ではなく、自らを律する心と真理への忠実さによって決まる。
誠実に生きる人は、やがて自然と“ふさわしい者”と見なされるのである。


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