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オームを唱え、神を想え――その一念が魂を導く


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「『オーム』という一音のブラフマン(聖音)を唱えながら私を念じ、肉体を捨てて逝く者、彼は最高の帰趨に達する。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第13節


■逐語訳

「『オーム』――その一音に凝縮されたブラフマン(宇宙の根源的実在)を唱えつつ、
私(至高神)を心に念じながらこの世を去る者は、
まさに最上の行き先(究極の目的地)に到達する。」


■用語解説

  • オーム(ॐ, AUM)
     宇宙の創造・維持・破壊の三機能を表す聖音(プラナヴァ)。
     全存在の根源であり、ブラフマンを象徴する最も神聖な音。
  • ブラフマン(Brahman)
     絶対的・不滅の実在。万物の根源、すべてを超越した存在。神の抽象的原理。
  • 私(マーム)
     ここではクリシュナ=至高神(プルシャ)を指す。人格的神の相。
  • 最高の帰趨(パラム・ガティム)
     最も望ましい最終到達点。解脱(モークシャ)や神のもとに至ること。

■全体の現代語訳(まとめ)

死の瞬間に、「オーム」という宇宙の根源を象徴する音を唱えながら、
神(クリシュナ)を一心に想い、肉体を離れる者は、
迷うことなく、最も高貴な魂の帰る場所――至高の境地に到達する。


■解釈と現代的意義

この節は、「音」と「念(想念)」の力を通じて、魂が究極の目的地へと到達する道を語っている。
特に、「オーム」という音は、宇宙の根源と同一視され、これを心静かに唱えることで、魂は波動的に高みに導かれる。

ここでは、「死の瞬間」にどう意識を整えるかが主題だが、それは日常の中でも繰り返し実践すべき修練である。
一音に心を込め、一念で神に集中する――そのシンプルさと深さが真理への道となる。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
シンプルさの力本質は常にシンプル。「一語」に価値を凝縮することで、ブレない軸と集中が生まれる(例:経営理念・信条など)。
言葉と意識の統合言葉(スローガンやミッション)と、それを唱える心が一致しているとき、言葉はエネルギーとなって周囲に影響を与える。
一念集中の訓練雑念や混乱を払って、たった一つの言葉や目的に集中する時間を持つことで、心が整い、成果につながる行動が生まれる。

■心得まとめ

「一音にすべてを込め、一念にすべてを託せ」

“オーム”という聖音に心を込め、神に向けて想念を集中する――
それは死の瞬間だけでなく、生のあらゆる場面において、心を整える最も力強い行法である。
ビジネスにおいても、理念・使命・目的といった「一語」に魂を込め、それを念じ続ける者こそが、
最高の成果と境地に至る道を歩むことができる。

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