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真理は一つ、道は多様――だが確かな智がある


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「聖仙たちは種々の讃歌によって、多様に、個別にそれを説いた。
また、論理的で確定的な、『ブラフマ・スートラ』の言葉によって。」
(『バガヴァッド・ギーター』第13章 第4節)


■逐語訳

偉大なる聖仙たちは、さまざまな聖なる詩句(リグ・ヴェーダなど)を通じて、その本質(土地と土地を知る者)を個別に、また多様な方法で語ってきた。
さらに、それは理論的に整理された『ブラフマ・スートラ』によっても、明確かつ決定的に表現されている。


■用語解説

用語意味
聖仙(リシ)古代インドの覚者・予言者。真理を直感し、言葉にした聖者たち。
讃歌(リグなど)ヴェーダの詩句。宇宙や神の本質を詩的・象徴的に表現した文献。
ブラフマ・スートラウパニシャッドの教義を論理的に整理した哲学書。別名ヴェーダーンタ・スートラ。
論理的・確定的(ニルナヤカ)思索と分析を通して疑いなく結論づけられたもの。真理の核心を伝える性格。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは、「身体とそれを知る者(魂・神)」という霊的真理について、それは単に神話的な物語ではなく、聖者たちによって様々な角度から語られてきたこと、そしてさらに論理的な哲学体系(ブラフマ・スートラ)によっても明快に説かれていることを示している。


■解釈と現代的意義

この節は、「真理は一つであるが、それを語る道筋や方法は多様である」という寛容で深遠な世界観を示しています。
霊的真理や自己認識に至る道は、詩や直観によるアプローチだけでなく、論理や理性を通しても導かれるものであり、両者が補完し合うものであるという教えです。


■ビジネスにおける解釈と適用

視点解釈と応用例
多様性の尊重一つの真理(ビジョン)に向かっていても、人によってアプローチ(直感型、論理型、実行型など)が異なる。すべてを尊重することで組織が調和する。
コミュニケーション詩的な情熱・直感的メッセージと、データや論理による説得――両方のアプローチを持つリーダーが、より深く人を動かす。
意思決定感覚的なインスピレーションと、ロジカルな分析の両方を取り入れることで、よりバランスの取れた判断が可能になる。
組織戦略啓発的な理念(フィロソフィー)と、実践的な体系(ルールや評価制度)が統合されてこそ、持続的な強さが生まれる。

■心得まとめ

「真理への道は多様でも、核は一つ」

『バガヴァッド・ギーター』は、直観的な霊感(聖仙の詩)も、厳密な論理(ブラフマ・スートラ)も、ともに真理を語る異なる道であると説いています。
現代のビジネスでも、感性・直観・ビジョンといった“魂”の側面と、論理・分析・体系化といった“知性”の側面のバランスが求められます。
どちらか一方に偏るのではなく、「両方を使って真理を探る」態度こそが、成熟した意思決定と信頼されるリーダーシップを生み出します。

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