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第三章「己の欲せざる所、人に施すなかれ」解説
◆ 現代語訳 貞観四年(630年)、太宗が側近たちに語った。 「宮殿を飾り立てたり、池に楼閣を設けて遊ぶのは、帝王としての私の望むことかもしれない。しかし、それは民衆が望むことでは決してない。帝王の『望むこと』は放縦な遊びだが、民にとってはその... -
第二章「漢の文帝に学べ」解説
◆ 現代語訳 貞観二年(628年)、王公・大臣たちが太宗に上奏した。 「『礼記』には、夏の終わり(旧暦の季夏=6月)には暑気を避けて高い建物に住むべしとあります。今はちょうど夏の残暑が厳しく、秋の長雨も始まり、宮中は低地にあるため湿気が多くてお... -
第一章「為政者の贅沢と民衆の気持ち」解説
◆ 現代語訳 貞観元年(627年)、太宗(李世民)は側近たちに語った。 「昔からの帝王は、建築など事業を起こす際には、必ず民衆の心に逆らわないことを第一とした。たとえば大禹が九つの山を削り、九つの大河を通して洪水を治めた時には、非常に多くの人民... -
第四章「項羽は信に欠けていた」
■現代語訳 貞観十七年(643年)のある日、太宗は側近に語りました。「『論語』には、『食を捨てても信を捨ててはならない』と記されている。孔子もまた、『民に信がなければ国は成り立たない』と述べている。 昔、項羽が咸陽(秦の都)に入ってすでに天下... -
第三章「今日あるは魏徴のお蔭」
■現代語訳 ある日、太宗は長孫無忌ら側近たちに語りました。「私が即位したばかりの頃には、多くの者が上奏を寄せてきた。ある者は、『君主というものは威厳が第一ですから、何事も陛下自らが独断で判断し、臣下には任せないようにすべきです』と進言し、... -
第二章「信用ほど大事なものはない」現代語訳と要点
内容要約: 魏徴が上奏で、国家の基本は「徳・礼・信」にあると説き、近年の朝廷において誠信が失われていることを強く諫める。 ポイント(要点): 「君主は礼を立てて臣下に接し、臣下は忠義で応える」ことが誠信の体現。 「民に信無くば国立たず」──誠... -
第一章 水源が濁れば川も濁る
■現代語訳 貞観の初年、ある者が上奏文を提出し、朝廷において皇帝に媚び諂うような佞臣を取り除くべきだと願い出た。 それに対して太宗は、その者に問いかけた。「私が現在任用している臣下は、皆賢者だと考えている。そなたは一体、誰が佞臣だというのか... -
法治主義よりは徳治主義 — 概要と核心
1. 背景:宦官の専横と魏徴の進言 貞観十一年、宦官を地方使者に用いることへの弊害から、魏徴がそれを諫め、太宗が「宦官を使者にしない」と宣言。これをきっかけに、魏徴は太宗の治政姿勢に対し、長大で包括的な上奏を行った。 2. 善悪の取扱... -
第七章 身内か仇敵かを問わず賢人は推挙せよ
現代語訳 唐の太宗が即位して間もない頃のことである。太宗は側近の臣下たちに向かって、こう述べた。 「私は今、政治に全力を注ぐため、優れた人物を広く探して登用している。誰かが良い人物だと聞けば、すぐに引き立てて使うようにしている。だが世間で... -
第六章 公平な意見を採用しなかった後悔
現代語訳 唐の太宗の時代、刑部尚書(司法長官)の張亮が「謀反の疑い」で告発され、裁判にかけられることとなった。太宗はこの件を官僚たちに審議させたが、多くの者が「張亮は死罪に値する」と述べた。 しかし、ただ一人、殿中少監(宮中警備官僚)の李...